なぜこうも違う?フィンランドの子育て支援

日本が子どもたちに投資しない根本的な理由

Finnish Baby Boxの創業者。左からアントン・ダニエルセンさん、アンッシ・オッコネンさん、ヘイッキ・ティーッタネンさん(写真提供:Finnish Baby Box)

先の参院選において、子育て支援、少子化対策に関する各党の政策に大きな差は見られなかった。待機児童の解消や子どもの貧困対策などの必要性は誰もが認めるところで、勝利した自民党も公約に掲げてはいる。だが、憲法改正をはじめ、重視される課題がほかにもある中で本当に効果のある対策がなされるのかどうかは未知数だ。

筆者は6月にフィンランドを訪れ、国による子育て家庭へのきめ細かい支援や幼児教育について見聞きしてきた。そこで強く感じたのは、子どもたちへの投資に対するスタンスの違いだ。フィンランドでは、今困っている人たちを助けるだけでなく、将来の国を豊かにする効果があるのだと皆が納得している。

育児支援制度から生まれた新ビジネス

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「ベイビー・ボックス」(ムーミン版)の箱と充実したその中身(写真提供:Finnish Baby Box)

赤ちゃんが生まれて1年間に必要となる衣類やケア用品をぎっしりと詰め込んだ「ベイビー・ボックス」。フィンランドのFinnish Baby Box社が国外に向けて販売するこの商品の、最大の市場は実は日本だそう。「北欧デザイン」や「ムーミン」のブランド力が寄与しているようだ。

「ベイビー・ボックス」は、フィンランドで子どもを産む母親が国から受け取る「育児パッケージ」をモデルにしている。同社の3人の共同創業者は父親としてこの育児パッケージを利用した経験から、これを国外の人たちにも届けたいと起業したのだ。フィンランドで育児パッケージが法制化されたのは1937年。当初は一定の所得制限があったが、1949年からは所得に関わらずすべての母親が育児パッケージか現金かのどちらかを選んで受給できるようになった。現在は毎年6万世帯が手当を受給し、そのうち3分の2は現金ではなく育児パッケージを選択しているという。

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