子ども食堂で考える、貧困対策に必要なこと

「困っている人は来てください」とは言わない

子ども食堂では「困っている人は来てください」とは絶対書きません
前編では、岩手県盛岡市の「こども食堂」の様子を報告した。筆者も数時間を過ごし、一緒に食事をとったが、誰が貧困でこまっているのか、まったく分からなかった。支援のプロは、その方がいい、と言う。後編では、多くの人が知らない、貧困対策に本当に必要なことを考える。
前編:想像と違った!「こども食堂」の本当の意義

3つめのセーフティネットに

山屋理恵さんが理事長を務めるひとり親支援のNPOインクルいわてについて、昨年、2回にわたり、東洋経済オンラインに記事を掲載した。そこでは、シングルマザーに対する効果的な就労支援のプロジェクトや、個人の力を引き出す丁寧な対応の重要性を記した。山屋さんはその後、政府の1億総活躍国民会議や内閣府の男女共同参画会議などで、ひとり親支援について政策提言を行っている。中には取り入れられたものも多い。

子どもの貧困対策として注目される「こども食堂」について、山屋さんはこう考えている。「単なる“食の施し”なら、私たちはやりません。みんな『そんなところには行きたくない』って思うはずですから」。

かつて市役所の非常勤職員として、多重債務者、生活困窮者の相談に乗っていた山屋さんは支援を必要とする人の心理を理解している。

「こども食堂を開く時『困っている人やお金がない人は来てください』と言ったら、絶対に来ないでしょう。また、そんな情報も届かないかもしれません。特にひとり親の方々は支援や制度、人や地域とつながる時間の余裕が全くありません。

問題はお金だけでなく「時間」と「つながり」の困窮による孤立です。子ども食堂の意味は“単に子どもがご飯を食べる場所”ではありません。子どもも大人も社会的孤立の状態にあって得られない情報や、支援、制度利用、つながりを得られる場が必要です。日中は行政と学校というセーフティネットがあります。もうひとつ、地域が「生きること」を支える役割を果たせるようになってほしい」

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