「ひとり親を救え!」運動はなぜ炎上したのか 署名キャンペーンに対して上がった意外な声

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なぜひとり親を救えキャンペーンは炎上したのか?(写真:xiangtao / PIXTA)
子どもの貧困率の高さにおいて、先進国の中では抜きん出る日本。背景にある、ひとり親世帯の困窮状況を改善するため、子どもが2人以上の世帯に支給される「児童扶養手当」の増額を訴えるキャンペーンがスタートしました。すると、意外なところから反対の声が上がりました。

1人目は最大4万2000円、2人目は5000円!?

「児童手当」ではなく、「児童扶養手当」。聞き慣れない方が多いでしょう。これは、離別・死別・非婚(未婚)の「ひとり親」世帯に支給される手当のこと。母子家庭・父子家庭、どちらも対象となります。

現在の支給額は、第1子で月額最大4万2000円(年収に応じ10円刻みでスライド)ですが、第2子は一律で5000円、第3子以降は一律3000円。1子目と比べ、2子目以降の額がたいへん少ないため、子どもが多い世帯ほど厳しい状況となり、「ひとり親家庭の子どもの54.6%が貧困」(国民生活基礎調査)という深刻な状況を生み出す原因のひとつとなっています。

日本の母子家庭(約124万世帯)の就労率は「81%」と世界トップクラスであるにもかかわらず、平均年収は223万円(児童扶養手当や児童手当、養育費、年金なども含む)と低く、子どもがいる一般世帯の平均年収658万円と比べて、大きな格差がある状況です。

そこで、第2子以降の児童扶養手当の増額(複数子加算)を実現するため、支援団体らによるオンライン署名活動がスタートしました。

ちなみに、筆者が初めてこの事実を知ったのは約10年前。自分の離婚を機に、子連れ離婚の実用書を作り始めた頃でした。

第2子以降の支給額があまりにも少ないのに驚いて、「もしかして、2人目以降の大学の学費は1人目の10分の1になる、という新制度でもあるのかな?」と思い、人に尋ねてしまったほどです(もちろんそんな制度はありません)。

1子目に比べれば、2子目以降の養育費用は多少下がるかもしれませんが(洋服や学用品などを使いまわせる)、最もおカネがかかる教育費や食費については、1子目も2子目以降も同じです。支給額にこれほど差があるのは、不合理と言わざるをえないでしょう。

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