学生結婚で親になった、あるカップルの"選択"

カップルが愛情と敬意を注ぐもの

ある学生結婚カップルが歩んだ道とは?【写真:YakobchukOlena / PIXTA)
「夫は外で働き、妻は家庭を守る」など今や昔。この連載では「産後クライシス離婚」から「イクメン幻想」まで、刻々と変化する現代の夫婦たちを、女性・夫婦問題に詳しいジャーナリストの治部れんげさんが追います。共働き、主婦家庭、主夫家庭など、それぞれの夫婦は今どうなっているのか?

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学生結婚を選んだワケ

学生結婚というと、どんなイメージを持つだろうか。しかも学部時代に1人、博士号取得までにさらに2人、合計3人の子どもを出産となると、夫婦のキャリアや生活が心配になってしまう人もいるかもしれない。ところが、そんな勝手なイメージをよそに、力強く自分たちの人生を歩む夫婦がいる。

2015年夏、ひとつの家族が海外に飛び立った。夫婦と子ども3人の5人家族が渡航したきっかけは妻の仕事だ。

研究者である田中佳恵さん(仮名)は2014年に博士号を取得し、翌2015年の6月から海外のある学校で、博士研究員として働いている。3人の子どもたちは現地の学校に通い、夫の正夫さん(仮名)は同じ国内で仕事についた。

学生結婚したのは13年前。同じ大学の学生だった2人は 、共に理系で、音楽系サークルで知り合った。ある時、一緒に食事をしていると、冗談交じりでこんな話が出た。

「学生結婚すると、学費が安くなるよね」

国立大学の大学院生は親の扶養を外れて経済的に自立しつつ、収入が一定金額を下回れば、学費が安くなる可能性がある。そういう制度の話をしていたら、正夫さんはその日のうちに役所に行き、婚姻届をもらってきた。

「(佳恵さんのことが)好きだったんですね」と尋ねると、黙ってうなずいた。結婚したのは、佳恵さん22歳、正夫さん20歳の時だった。

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