「育休」を国会議員の特権にしてはならない 宮崎議員の主張には無理がある
1月6日午前、衆院議員会館内で「自民党 男性の育児参加を支援する若手議員の会」が開かれた。同会を主催したのは来月に金子恵美衆院議員との間に第一子が誕生する時に、男性国会議員として初めて育児休暇を取ると宣言した自民党の宮崎謙介衆院議員だ。
宮崎氏が党内の25名ほどの子育て世代の男性議員に呼びかけたところ、約10名が参加したという。若手議員の会の後で宮崎氏は、「(参加者数は)意外と多かった」と満足げに話している。
だが、その主張には違和感がある上、前途もかなり厳しい。
議員が育休を取れば一般人の育休取得率が高まる?
当初はこの日、宮崎氏らは大島理森衆院議長に「男性の仕事と育児の両立支援制度を利用した子育てへの参加の促進に関する要請書」を渡すつもりだった。手続き上の瑕疵があるとして党の国対委員会の幹部によって阻止されたため、この要望書は表には出されていないが、筆者はこの要望書を入手して読んでみた。
すると、その中身は驚愕するものだった。問題は結論として書かれている最後の箇所だ。
「男性の仕事と育児の両立支援制度を利用した子育てへの参加を促進するために、左記のような取り組みを行い、われわれ国会議員が育児休業を取得することで、男性が育児休業を取得できることを認知させる活動を推進すべきである」
「左記の取り組み」とは、出産休業を定める衆院規則第185条第2項に「育児」の文言を新たに加えることを指す。要するにこの要請書は、衆院規則を改めて国会議員に育児休業制度を作り、男性国会議員が育児休業を取得すれば、一般男性の育児休業の取得率が高まるという内容に読める。休むことが範になるというのだ。これが政策といえるのか。
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