不登校「解決支援機関」の耳を疑うアドバイス 正常判断を失った両親が次女を自傷行為に追い込んで抱えた深い後悔

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(写真:maroke/PIXTA)
小中高生の不登校の子どもの数は40万人を超えるといわれています。自身もわが子の5年(中学1年の3学期から高校まで)に及ぶ不登校に向き合ったランさんは、その後、不登校コンサルタントに転身。子どもの不登校に悩む親と接すると、相談の入り口は子どもや学校に関することであっても、その背景には、さまざまな悩みや人間模様がありました。
本連載では、ランさんが、子どもの不登校を経験した親に話を聞き、問題の本質、そして相談者自身が見つめ直すことになった人生に迫ります。
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中1の2学期から次女が不登校に

不登校の相談を受けていてつらいのが、子どもが自分の身体を傷つける行為をしたときです。不登校に伴う子どもの自傷行為は以前からありましたが、ここ1年、講座に来られる親御さんからそのお話を聞く機会が増えました。

田中さんご夫妻(仮名、いずれも50代)には2人の子どもがいます。そのうち下の娘さん(次女)が中学生のときに不登校になりました。

母:「次女は長女の通う中高一貫校に行きたくて勉強をがんばっていたのですが、受験して不合格でした」

娘さんは気を取り直して地元の公立中学に通い始めますが、1年生の2学期から体調不良で早退が続き、そのうち朝から欠席するようになります。当初、お母さんはなんとか学校に行かせようと「どうするの!?」と怒りをぶつけたり、「毎日学校に欠席の電話するのがイヤなんだけど」と、嫌味にも聞こえる言葉を投げつけていたそうです。

「姉はうまくいっているのに、なぜこの子だけ? この子さえいなければ幸せなのに」と考えてしまう自分がつらかったとも言います。

お父さんは娘が学校でいじめに遭っているのではと心配し、朝、ベランダでいっしょにカフェオレを飲みながらやさしく理由を聞いてみましたが、娘さんは何も言わずに涙を流すばかり。

父:「次女は控えめで、もともと自分のことをあまり話す子ではなかったんです。不登校になっても本心を話してくれることはありませんでした」

不登校
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