
中1の2学期から次女が不登校に
不登校の相談を受けていてつらいのが、子どもが自分の身体を傷つける行為をしたときです。不登校に伴う子どもの自傷行為は以前からありましたが、ここ1年、講座に来られる親御さんからそのお話を聞く機会が増えました。
田中さんご夫妻(仮名、いずれも50代)には2人の子どもがいます。そのうち下の娘さん(次女)が中学生のときに不登校になりました。
母:「次女は長女の通う中高一貫校に行きたくて勉強をがんばっていたのですが、受験して不合格でした」
娘さんは気を取り直して地元の公立中学に通い始めますが、1年生の2学期から体調不良で早退が続き、そのうち朝から欠席するようになります。当初、お母さんはなんとか学校に行かせようと「どうするの!?」と怒りをぶつけたり、「毎日学校に欠席の電話するのがイヤなんだけど」と、嫌味にも聞こえる言葉を投げつけていたそうです。
「姉はうまくいっているのに、なぜこの子だけ? この子さえいなければ幸せなのに」と考えてしまう自分がつらかったとも言います。
お父さんは娘が学校でいじめに遭っているのではと心配し、朝、ベランダでいっしょにカフェオレを飲みながらやさしく理由を聞いてみましたが、娘さんは何も言わずに涙を流すばかり。
父:「次女は控えめで、もともと自分のことをあまり話す子ではなかったんです。不登校になっても本心を話してくれることはありませんでした」

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