ひとりで暮らす人の家から、その人の生き方をのぞく連載「だから、ひとり暮らし」。
国の調査によれば、30代前半の男性の未婚率は約51.8%。この世代の男性にとって、「結婚して家庭を持つ」という選択はもはや“当然の道”ではなくなった。
一方で仕事も、恋愛も、趣味も、どこか中途半端に感じながら、“このままでいいのか”と自問し続ける――そんな迷いを抱える人も多い。
今回の主人公、33歳の竹田さんもそんな1人。だが彼は、ひとつの選択をした。川崎市の築30年・56平方メートルの中古マンションを購入し、自分好みにリノベーションしたのだ。
物件価格と工事費を含めて4500万円ほど。「結婚してから家を買う」ではなく、「自分のタイミングで、お気に入りの空間を持つ」ことを選んだ。「何でもコスパやタイパで測るのは、ちょっと窮屈だと思うんです」と竹田さんは言う。
部屋いっぱいに好きなものを
竹田さんのマンションに入ると、まず目に入るのは玄関脇の土間スペースに並ぶキャンプギアだ。テントやリュックサックなどが、壁や棚に整然と並ぶ。部屋の隅には大きな電動の麻雀卓。中央にはそれらを見渡せるように、キャンプ用のデッキチェアが置かれていた。
「僕は多趣味で、収集癖も強いので、物がどんどん増えるんです。だから専用の収納部屋をつくりたいと思って。かさばるものは、押し込むだけじゃなくて、ショーケースのようなこの部屋に置いて、来た人にぱっと見てもらえるような空間にしました」(竹田さん 以下の発言すべて)




















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