「少年漫画のように熱く生きたい」、"30代持ち家男子"のひとり暮らし。《コスパ・タイパを離れ、やりたいことを全部やる》

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「会社の同僚のなかには、北海道出身の僕が聞いてもすぐわかるような有名な私立中高、大学に進んで、20代で結婚し、今は子どもの中学受験とかも視野に入れて、熱心に子育てしていて——というような人もいます。

そういった、愛情のある家庭を築くことを優先する人生も素敵だと思うんですけど、僕はまだ自分がやりたいことを優先させたいなと。

もしも彼らと同じような道を進むなら、それは自分が心から納得して『やりたい』と思ったときだと思います。自分のモチベーションを大切にしたいんです」

そんな自分軸を確かめるように、竹田さんは家をつくることで、仕事や暮らしのあり方を見つめ直していった。

竹田さんの部屋
流木を飾って自然を取り入れる。すやすや眠る『ポケットモンスター』のピカチュウがポイント(撮影:今井康一)

キャリアの踊り場で考える「今後の40年」

自分の家を持つ決断の背景には、5年間のシェアハウス生活や、新卒からのキャリアの積み重ねがあった。

「僕は27歳から5年間、3軒のシェアハウスを渡り歩いてきました。楽しかったですよ。程よい距離感で、いつも誰かがいて。ルームメイトと語り合ったり、彼らといろんなところに出かけたことが良い経験になりました。

でもシェアハウスも3軒目で共同生活も十分に満喫できた頃合いになると、そろそろ卒業してもいいかなという気持ちになりました。次に自分が叶えたいこと、やりたいことは何だろうと立ち止まったタイミングで、自分のお気に入りの空間をつくりたいなと思ったんです」

仕事の面でも節目を感じていた。

「会社では良い上司に恵まれて充実していました。でも30歳を過ぎたころ、新卒からの仕事が一通り経験できて、少し“踊り場”にいる感覚があったんです。33歳の今、これからの40年間で自分はどんな仕事をしていきたいか――ぼんやりと考えるようになりました」

同じようなタイミングで、旅に出たり、転職したりする人もいるだろう。けれど竹田さんの場合は、自分が作り上げたお気に入りの空間が、自然と“腰を据えて考えるための場所”になったという。

「シェアハウス時代は誰かと話して気づきをもらっていたけれど、ひとり暮らしに戻って自分の時間が増えた結果、誰かと会話してではなく、自身で考えを深掘りする機会がすごく増えました。

当初は自分のお気に入りの空間を作りたい、住みたいだけが目的でしたが、図らずも、僕にとってこの家はこれからの40年をじっくり考えるための拠点にもなりましたね」

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