「少年漫画のように熱く生きたい」、"30代持ち家男子"のひとり暮らし。《コスパ・タイパを離れ、やりたいことを全部やる》

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竹田さんの部屋
玄関脇の広い土間空間は、キャンプ用グッズなどが並ぶ趣味部屋に(撮影:今井康一)
竹田さんの部屋
麻雀卓も収納(撮影:今井康一)

リビングに入ると、バーカウンターのようなキッチンテーブルに、大きなソファ、そしてベッドが、LDKにゆったりと置かれている。白木の床にネイビーで統一された家具がコーディネートされ、落ち着いて清潔感のある雰囲気だった。

ひと際目を引くのは漫画の棚だ。『スラムダンク』や『NARUTO』などジャンプ系の漫画を中心に、整然と並んでいる。

「少年ジャンプの“友情・努力・勝利”のコンセプトが好きなんです。社会人になると、その真っ直ぐさがバカにされるような雰囲気もありますけど、僕はジャンプ漫画の主人公のように青臭く生きていきたいとさえ、思っていますね(笑)」

高校生になるまでは自然の多い北海道で育った竹田さん。やりたいことを自由にやらせてくれる家庭で「一度やると決めたことは、納得いくまでやり切ろう」という両親の言葉が、今でも心に残っているという。“のびのびと、やり抜く”幼少期の過ごし方が、ジャンプの世界観と共鳴しているのかもしれない。

竹田さんの部屋
漫画の棚『スラムダンク』『NARUTO』『名探偵コナン』などがズラリと並んでいる(撮影:今井康一)

まだまだ自分のペースで生きていきたい

竹田さんはマンションを購入したときに、「結婚してから家を買う」というセオリーにこだわらなかった。

「僕はそういう常識にはとらわれたくなくて……。結婚するタイミングを待つより、今、自分の空間をつくってみたいという自分の気持ちを優先しました」

30代に入ると周囲に結婚する人が増えてくる。同世代の男性たちは、友人の報告を聞くたびに「自分はどうするのだろう」と自問するという。 竹田さんも例外ではなかった。

「確かに30歳を過ぎたころから、周りが結婚の話をよくするようになりました。集まると『そろそろ俺たちも……お前はどうなの?』みたいな雰囲気になりますよね。でも僕自身は、まだまだ自分でやりたいこともあるし、むしろ焦りがちな人たちを見て、『もっとマイペースでもいいんじゃないかな』とさえ思っていて。

30代で結婚して、それを機に家を買った方が“効率的”なのかもしれません。たとえば僕が結婚して子どもができたりしたら、この家は手狭になるから、売却か運用をする必要が出てくるわけで。でも、効率よく生きるために、やりたいことを諦めたり、延期したりするのは、なんだか違う気がするんです」

世の中のペースではなく、自分のペースで。焦りよりも納得を大切にしたい。そのためには、まず「今の自分が心地よくいられる場所」を整えたいと思ったという。

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