DV被害の妻が息子の不登校で目覚めた新たな道 母親が精神的自立を果たして子どもが変わった

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写真はイメージです(Graphs/PIXTA)
小中高生の不登校の子どもの数は30万人を超えるといわれています。自身もわが子の5年(中学1年の3学期から高校まで)に及ぶ不登校に向き合ったランさんは、その後、不登校コンサルタントに転身。子どもの不登校に悩む親と接すると、相談の入り口は子どもや学校に関することであっても、その背景には、さまざまな悩みや人間模様がありました。
本連載では、ランさんが、子どもの不登校を経験した親に話を聞き、問題の本質、そして相談者自身が見つめ直すことになった人生に迫ります。

三男が中学校にほとんど行けず

美香子さん(仮名、52歳)は3人の男の子のお母さんです。最初に相談を受けたのは3番目の息子さん(当時13歳)の不登校でした。小学校3年生の頃から行き渋りが始まり、中学校では集団生活にどうしても馴染めず、ほとんど登校することがありませんでした。

また、上のお子さんたちも、長男は大学卒業後に就職するも上司と合わず仕事を辞め、次男は引きこもりのように何もしない時期があるなど何かと悩みを抱えていました。

美香子さんは私が伝えるアドバイスを素直に受け止める方で、三男さんを上手に見守り支えることができるようになりました。毎晩寝る前に2段ベッドの上と下で、三男さんの心の内を聴くことが日課になっていきました。

心を閉ざしていた三男さん。次第に明るさを取り戻していきます。ひとつ気になったのは、話の中に“お父さん”の姿が見えないことでした。

「ご主人は息子さんの不登校をどのように思っていらっしゃるんですか?」

何度か聞いてみましたが、そのたびに美香子さんはもごもごと言葉を濁します。どうやらご主人との関係に不登校の問題が潜んでいるのかも。私はそう思いました。

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