DV被害の妻が息子の不登校で目覚めた新たな道 母親が精神的自立を果たして子どもが変わった

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ある日、こんなことがありました。遠方に住む美香子さんが私に相談するために1泊の旅を計画したときのこと。

「ランさん、主人が泊まりはダメだと言っています。浮気じゃないかと疑っているんです。すみませんが、ランさんからのメッセージに浮気じゃないとわかる一文を入れていただけませんか」

私は驚きました。妻とはいえ大人がそこまで拘束されるの? 美香子さんは仕事をしていて収入もあります。仕事で出かけるときも、ひとつひとつご主人の許可がいるのかと不思議に思いましたが、美香子さんにとってご主人の言うことは絶対だったのです。

さらに話を聞いていくと、DVとも言えるご主人の様子が明らかになってきました。

「主人はお酒を飲むと暴言を吐くんです。スイッチが入ると何を言ってもダメ。責められるのを一方的に聞いていることしかできません」

攻撃的でないときは家族一緒にキャンプに行ったり買い物に出かけたりするご主人で、3人の子どもたちにとってはいいお父さん。職場でも“癒やし”を与えるキャラとして受け入れられているらしく、暴言の矛先はもっぱら美香子さんひとりに向かっているようでした。

多額の借金、激しくなる暴言で過呼吸に 

また、ご主人は美香子さんに内緒で多額のお金を借りていたことがありました。その額約1000万円。家計を守る美香子さんはその事実を子どもたちにも、義理の親にも伝えませんでした。

「主人にとっては知られたくないことだと思ったので……」

ご主人をかばって必死で家計をやりくりするも、エスカレートしていく暴言。

さらに追い打ちをかけるような出来事が起こります。

「主人の度重なる暴言に私が過呼吸を起こしたんです。苦しくてしゃがみ込む私を見て、息子たちに『おまえらの母親のみじめな様子をよく見ておけ』と、主人は笑いながら私を罵りました」

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