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嫌われるイーロン「テスラ独り負け」の深刻度。EV先進国ノルウェーで見えた“真っ暗な未来”

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(写真:David B. Torch/The New York Times)

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ノルウェーは本来、テスラに最も適した市場であるはずだ。電気自動車(EV)が新車販売の90%以上を占めているし、バッテリーや充電、航続距離に対する自動車購買層の理解度は世界の中でも指折りに高い。

つまり、ノルウェーで登録ベースの販売台数が今年に入って12%以上も落ちているのは、テスラにとってよい兆候とは言い難い。デンマーク、フランス、オランダ、スウェーデンでの今年1~3月の販売台数の落ち込みは、そのさらに上を行く。

それどころか、テスラの販売台数は全世界で急激な下落傾向を見せている。同社は4月2日、第1四半期(1〜3月期)の世界販売台数が前年同期比で13%減少したと発表した。

発表によると、今年の第1四半期の販売台数は2024年1~3月期の38万7000台から約33万7000台に減少。2022年第2四半期以来で最低となった。

EV販売が世界的に増加する中で…

世界中でEVの販売台数が増加した時期におけるテスラの不振は深刻な問題を多数映し出しているが、その最たるものはCEO(最高経営責任者)イーロン・マスクがトランプ政権の重鎮となったことに対する消費者の反発だ。

オスロ市の都市計画家ゲイル・ログリエン・エルグヴィンは2013年に初めてテスラ車を購入した。ノルウェーでの販売開始から数カ月後のことだった。アメリカ・ネバダ州にあるテスラのバッテリー工場「ギガファクトリー」を見学したこともある。面会したマスクは当時まだ、EVとロケット企業のスペースXで気候変動に対処しようとしている人物として主に知られていた。

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