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マスクが政権を去ってもテスラ批判は終わらない。“反トランプ運動”と化した異例の企業ボイコット

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(写真:Saul Martinez/The New York Times)

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イーロン・マスクが5月30日の金曜日にホワイトハウス関係者らに見送られてトランプ政権を去ったことは、過去4カ月間の大部分を費やしてマスクの右派的な政治姿勢に抗議する運動を組織してきた活動家グループにとって、ある種の勝利となった。その抗議運動の標的となってきたのが、マスクのEV会社テスラだ。

マスクがホワイトハウスを去った翌日の土曜日、何百人という人々がショールームをはじめとするテスラの拠点50カ所以上に現れ、抗議活動を継続した。

「打倒テスラ」で世界が結束

こうした抗議運動は2月に始まった。皮切りとなったのは、ボストン大学の社会学教授ジョーン・ドノバンが、ボストンにあるテスラのショールーム前で仲間を集めて行ったデモだった。

彼女がSNSのブルースカイで行ったデモ計画の告知につけたハッシュタグは、「テスラを倒せ」を意味する「#TeslaTakedown(テスラ テイクダウン)」。ドナルド・トランプの大統領就任直後にメーン州で行われた、テスラのEV充電施設に対する小規模な抗議行動に触発されたと、ドノバンは振り返る。

「2月15日に行った最初のデモは、私のほかに50人くらいが集まった。その次の週には100人増え、その次はさらに100人増え、というように規模はどんどん大きくなっていた」と言う。

「テスラを倒せ」運動はその後、国際的な運動に発展。アメリカだけでなく、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツを含むさまざまな国々で、テスラの工場、ショールーム、その他の拠点の前で抗議デモが行われるようになった。

抗議運動をアメリカで加速させる主な燃料となっているのは、「政府効率化省(DOGE)」を率いたマスクに対する怒りだ。DOGEは政府支出に大ナタを振るい、連邦政府職員を大量解雇。さらに、機密性の高い個人情報にアクセスするという問題行動を繰り返してきた。

トランプが大統領に返り咲き、テスラに対する抗議行動が始まって以来、同社の販売台数は坂を転がるように落ちている。

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