アメリカのEV最大手に今、何が起きているのか。
テスラは23日(水)、第3四半期の純利益が前年同期比で17%増加したと発表した。バッテリーストレージやその他の事業の大幅な成長が、自動車販売の緩やかな増加を補った形だ。
同社は、7~9月(第3四半期)の純利益が約22億ドルであったと発表した。これは、前年同期の約19億ドルから増加している。売上高は252億ドルで、前年同期は234億ドルであった。しかし、テスラは今年中に納車する車の台数は「わずかな成長」にとどまると投資家に警告した。
水曜日の時間外取引では、テスラ株は12%近く上昇した。同社の第3四半期の業績が投資家の予想を上回るものだったためだ。
テスラの好業績の大部分は、自動車販売以外の要因によるものである。電力会社や企業、住宅所有者が使用する蓄電池の販売は、前年同期比で52%増加し、充電などサービスによる売上高は29%増加した。
また、同社は、排出ガス規制を満たすためにクレジットを必要とする他の自動車メーカーにクレジットを販売し、7億3900万ドルの売り上げを計上した。この数字は前年から33%増加している。
2020年以来、新型モデルはゼロ
イーロン・マスク氏が率いるテスラは、アメリカで販売されるEV(電気自動車)のほぼ半数を占めており、需要を左右する存在となっている。排出ガスのないバッテリー駆動の車両は、気候変動対策に不可欠であると考えられている。
今年に入ってEVの販売が全体的に伸び悩んでいるのは、主にテスラの販売台数が減少したためである。ただ、テスラは今月、今年前半の販売台数が減少したものの、第3四半期の販売台数は6%増加したと発表した。
ゼネラル・モーターズやヒュンダイなどの企業が新型モデルを発表したことで、最近のデータではEVの販売が回復しつつあることが示唆されている。しかし、テスラ以外の自動車メーカーでアメリカのEV市場の10%以上を占めるメーカーはない。
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