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イーロン・マスクが「規制違反」で政府調査の対象に 問題視される漏洩リスク、スペースXも対象

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イーロン・マスクは長年、自身や自社に都合の悪い規範や慣習を無視してきたが、それが国家安全保障がらみとなった場合には、リスクは間違いなく大きくなる。

(写真:Eric Lee/The New York Times)

イーロン・マスクと、同氏が率いる宇宙開発企業スペースXは、外国首脳との会合の詳細を提供しないといった国家機密保護を目的とするアメリカ連邦政府の報告プロトコルに違反する行為を繰り返していると、同社と内部文書に通じた複数の関係者が明らかにした。

スペースXで繰り返されている報告規制違反への懸念と、とくに最高経営責任者(CEO)であるマスクに対する懸念から、少なくとも3件の政府調査が開始されたと、8人の消息筋が語った。国防総省監察総監室は今年、問題の調査を開始し、空軍と国防総省の情報・安全保障担当次官も先月、別々に調査を始めた。

空軍はさらに、潜在的な安全保障上のリスクを理由に、ハイレベルな機密情報に対する億万長者マスクのアクセスを拒否。国防当局者によると、イスラエルを含む複数の同盟国も、マスクが機密データを他者と共有する可能性に懸念を示しているという。

解雇を恐れる社内組織はマスクの言いなり

スペースXには、政府の国家安全保障規則の順守を職務とする社内チームがある。

同社に詳しい4人の話によると、そうした従業員の一部が国防総省監察総監室などに対し、少なくとも2021年までさかのぼる同社のずさんな報告状況に関する不満を伝えた。スペースXは2019年から2023年にかけて国防総省やアメリカ航空宇宙局(NASA)から少なくとも100億ドルの連邦契約を獲得し、主要な請負業者となっている。

スペースXを筆頭に、ソーシャルメディア企業のXや電気自動車(EV)メーカーのテスラなど、多様な事業を通じて世界的に大きな影響力を持つようになったマスクは、厳しい監視の目にさらされている。

53歳のマスクは長年、自身や自社に都合の悪い規範や慣習を無視してきたが、それが国家安全保障がらみとなった場合には、リスクは間違いなく大きくなる。

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