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「テスラ車は恥」イーロンの変化なげく所有者の本音 株価は大統領選挙後の上昇分がほぼ帳消し

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2024年、テスラは創業以来初めて年間販売台数が減少した。

テスラ車を手放したジェニファー・トレブ氏(写真:/The New York Times)

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2年前、ジェニファー・トレブがテスラのしゃれたモデルYを初めて自宅の車道に乗り入れたときは、まるで「『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のような瞬間」だったという。

環境のための選択ではあったが、テスラ車に乗ることにはある種の特別感もあった。「革新的で、ほかとは違うものを手に入れたという点で、まぎれもなく、それはちょっとクールな瞬間だった」とトレブは言う。

だが、トレブは少し前にUターンし、テスラの電気自動車(EV)を売り払っている国内外のテスラオーナーたちの仲間に加わった(そこにはシンガーソングライターのシェリル・クロウといった有名人もいる)。

彼らがテスラ車を手放しているのは、テスラを経営する富豪のイーロン・マスクの価値観と政治姿勢をうとましく思っているからだ。トランプ政権で地位を得て、連邦政府に対して権力を振りかざすマスクの存在が彼らの動きを後押ししている。

「駐車場で『ナチス』と言われた」

テスラ車の購入者の間で後悔が広がる中、テスラの業況は不安定なものになっている。株価は2月の最終週に2桁下落し、大統領選挙後の上昇分がほぼ帳消しとなった。

最近の報告によると、ヨーロッパでの販売台数は激減。競争激化により、ほかのEVメーカーに市場シェアを食われてもいる。アメリカのテスラ販売店の前で行われた最近の抗議デモや、一部のテスラ所有者に対する嫌がらせも大きく報道された。

ファミリーセラピストで民主党を支持するトレブ(54)は、テスラ車からメルセデス・ベンツのガソリン車に乗り換えることにした。走行距離は1万マイル(約1万6000キロメートル)でしかなかったにもかかわらず、下取り価格は購入価格の5万5880ドルに対し3万2000ドルとなってしまったが、受け入れた。

テスラを手放す決断にとどめを刺したのは、最近、スーパーに出かけたときの出来事だったと言う。

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