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ウエルシアが介護タクシー事業に参入、50代後半で社内ベンチャー制度に応募した薬剤師、家族の介護経験から始めた起業への思いとは

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ウエルシアが新たに始めた介護タクシー。車両後部のリフトを使うことで、ストレッチャーに横たわった状態の利用者をそのまま車に乗せることができる。車両にはAEDも搭載し、万が一の時にも即座に対応できるようにしているという(記者撮影)
会社を動かすのは現場のビジネスパーソンだ。人気商品やサービスが生まれた背景、新たな挑戦の狙いとは。本連載では、その仕掛け人を直撃する。

ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスが今春、グループで初めてとなる旅客運送サービスを始めた。サービスの名前は「ウエルタク」。病気や障害で体を自由に動かせない人に対応した、介助サービス付きのタクシーだ。

看護師や救命救急士など専門の資格を持つスタッフが乗り降りをサポートし、痰吸引や酸素吸入といった医療措置が必要な人でも利用できる。介護保険は適用されないが、買い物やレジャー、私的な用事にもスタッフが付き添って対応し、どんな人でも安心して自由に外出できるようにサポートするのを特徴にしている。

父親の介護で、移動支援の不自由さを実感

このタクシーの運行会社で社長を務めているのが井田徹さん(59歳)。ウエルシア薬局の薬剤師として勤務していたが、50代後半という年齢で社内ベンチャー制度に応募。会社の経営陣に介護タクシーサービスの事業を提案し、会社を立ち上げた。薬剤師から介護タクシーの道へ転身した理由とは何だったのか。

「ドラッグストアを拠点に、体が不自由な人でも安心して移動できるサービスを広げていきたい」。3月中旬、埼玉県坂戸市で開かれた事業説明会。季節はずれの雪が降る中で、井田社長は集まった記者たちに自分の思いを語った。

介護タクシーについて関心を持ったのは今から12年前。以前からパーキンソン病を患っていた父親が体を動かせなくなり、家族と協力して介護にあたった時のことだ。

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