30代からを左右する「恥をしのんで聞く力」 素直ということの利点はどんどん増していく

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でも、実はそれがポイントなのかもしれない、と私は思いました。壁にぶつかって転がっている時、本気で「どうにかしたい」と考える、誰かと話す機会があるたびに乗り越えるキッカケが欲しいと必死になっている、だから日常ならば聞き逃してしまいそうな何気ない言葉が「珠玉の教え」になるのかもしれないなと。

乗り越えるキッカケは、ポジティブな言葉だけではない

必ずしも尊敬する方からの言葉でなくても、ポジティブな言葉でなくても、キッカケになることは十分あります。私自身、「お前なんかに、あの仕事は任せられない」とか「経営者としての筋が悪すぎる」とか、鼓舞と受け取るにはきつい言葉もいっぱい言われてきました。それそのものが壁に立ち向かう原動力になったことも多かったと思います。「くっそー、見返してやる!」ってヤツです。

そのうえで、「じゃあ、どうすればできるようになりますかね? まずは何からやるべきでしょうか?」と必死に問いかけ続け、投げやりにでも「○○すれば?」と言ってもらうたびに、噛みしめて「そっかー、なるほど!」と膝をうち、「この人を信じてだまされてみるしかない!」と決心しては、ものすごく素直に「やってみる」傾向があるようです。そして、結果的に「だまされた」ことなど1度もなかったと思っています。

「堂薗さんはラッキーですよね、上司や同僚に恵まれて」とよく言われます。本当にそのとおりなんです。だけど、「私の周りにはコーチになってくれそうな尊敬できる人がいない」「上司や会社の偉い人たちがアホばかりで、やっていられない」と彼女たちに言われると、「ああ、こうだからコーチが見つからないんだわ」と私は思ってしまいます。

また、「悩んでいる」と言ってアドバイスを求めながらも、「まぁ仕方ないのでいいんですけど」と流されたり、「堂薗さんって前向きですよねぇ」と他人事みたいな受け答えをされたりすると、瞬時に「本気で聞いちゃった時間、返してくれよ~、早く切り上げたい……」と思ってしまいます。

「壁にいちいちぶつかるタイプ」を自認している私としては、まずぶつかった壁、課題を本気で乗り越えたいと考えるか、ということがいちばん大事だと思っているのです。

私の元上司が言ってくれたように、「あまりに必死だったから」と感じさせられるか。そして、次には、キャッチアップしたい気持ちをめちゃくちゃ高めて、どこからでもヒントをつかみにいくこと。後はそのヒントを信頼しきって、やりたくないことでも「本気でやってみる」だけのような気がします。

次ページ「やってみる」、その決意が壁に立ち向かう第一歩
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