全米が熱狂したSF映画の何とも底知れぬ魅力

「エンダーのゲーム」を見逃していませんか

『エンダーのゲーム』
『エンダーのゲーム』(2013年/アメリカ/114分)

突如昆虫型生命体、フォーミックの侵攻を受けた未来の人類は、敵の2次侵攻に備え、世界中から頭脳明晰な子供たちを徴兵し、地球軌道上に設置された訓練施設“バトル・スクール”でエリート戦士としての養成を行っていた。中でも少年エンダーは、この宇宙戦争を終結させられる特殊能力を秘めた者として、監督官であるグラッフ大佐(ハリソン・フォード!)の下、過酷な試練を課せられていく……。

侵攻してきた敵とはいえ、戦争での殺し合いに強い疑念を抱き葛藤しながらもエンダーは、遂に指揮官となり最終バトルシュミレーションに挑む。そんな苦悩する少年指揮官役を(最高のハマり役として)見事に演じきったのは、近年作では(たかみにとって)最高評価の『ヒューゴの不思議な発明』(2011年)でも完璧な演技で魅せてくれたエイサ・バターフィールド。うまい子役が多い映画界でも、すでに抜きんでた名優といえる。

本作が『エヴァンゲリオン』と似ているという指摘(逆デス!)は、原作の発表年を知らない若い方なのだろう。また、例によって、原作ファンからの「小説に比べると物足りない」との批判もあるが、ぼくは元々映像に向いたSF小説だと思っていたので、むしろ(VFXがすごい)映画の方が楽しめたくらいだ。そして原作を読んだことのない方なら、ストレートに本作のオチを楽しめるはずだ。

とはいえ、鑑賞後ぜひ優れた原作と読み比べてみてほしい。オースン・スコット・カードのほかの作品、たとえば短編集『無伴奏ソナタ』と長編『ソングマスター』なども強くおススメしたいSF小説だ。もし『ソングマスター』が映画化されたら、『エンダーのゲーム』以上の傑作となるに違いない。

(文:たかみひろし/音楽・映像プロデューサー、『モノ・マガジン』2014年7月16日号掲載記事を一部加筆・修正)

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 令和の新教養
  • 静かなる熱狂
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
株式投資・ビジネスで勝つ<br>決算書&ファイナンス

この1冊で企業財務がぐっと身近に。PL、BS、CSの基本から、キーワードで読み解く業界分析、買収価格算出などの応用まで、厳選30のノウハウを丁寧に解説。業績絶好調企業に加え、会計と実態の差を補う疑似資産、会計利益先行率のランキングも。