米大統領選、若者たちの心をつかむのは誰か サンダース人気の一方でトランプも浮上

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小
ミレニアルズが民主党を支持する理由のひとつ、「格差問題」と現状について取り上げる(写真:ロイター/アフロ)

前編大統領選は「米国版さとり世代」次第で動く!

来年2016年、米国は4年に1度の大統領選の年です。前回記事では、米国の人口の4分の1を占める「米国版さとり世代」、つまり現在の20~35歳くらいのミレニアルズが、大統領選の結果を決定づけるであろうことをお伝えしました。

彼らの中には民主党(リベラル)支持者が多数います。いったいなぜなのか。前回記事に続き、その理由のひとつである「格差問題」とミレニアルズの現状について、引き続き取り上げていきたいと思います。

格差問題は人種問題

さて、前回もお伝えしたように、米国では世代間での経済格差がますます開いていますが、並行して、人種間の格差も急速に拡大しています。

ピュー研究所の数字では、2013年時点で、白人家庭の平均年収は黒人家庭の13倍、これは2007年の10倍、90年代の7倍に比べ大きく広がっています。一方、ヒスパニックと比べると、白人家庭はヒスパニック家庭の10倍、これも2007年の8倍に比べ格差が拡大していることがわかります。
格差問題は実は人種問題なのです。

若者の間で人種間の格差を拡大させている注目すべきファクターのひとつは、デジタル・ディバイド(情報・技術格差)です。ミレニアルズはデジタル・ネイティブと呼ばれていますが、貧困エリアに育ったマイノリティや移民の子どもたちにはパソコンやWi-fiなどのテクノロジーの普及が遅れ、その結果、高等教育や情報処理中心の職業獲得などで非常に不利になり、格差が拡大しているのです。

次ページ多様な人種構成はどう影響するか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT