1980~90年代に生まれ、現在20~35歳くらいの米国の若者、通称「ミレニアルズ」。現在の米国の総人口は約3億人ですが、そのうちの4分の1を占める米国最大の人口群として注目を浴びています。そのミレニアルズですが、別名「フーディ・ジェネレーション」と呼ばれています。
「フーディFoodie」は「食通」という意味の比較的新しい言葉ですが、従来の「グルメ」とはかなり違う意味を含んでいます。
ではフーディはグルメとどう違うのか?実はその違いにこそミレニアルズの食意識が現れているのです。
フーディに出会うために、まずブルックリンに行ってみましょう。
スモーガスバーグから見えてくる食意識
今世界で最も注目される最先端の街ブルックリンのウォーターフロントで、春~秋の毎週末開催されているのが、食のアウトドアマーケット「スモーガスバーグ」です。
マンハッタンの高層ビルを見晴らす駐車場に約100件の食の屋台が軒を並べています。多くはタコス、フライドポテト、ドーナツなどのアメリカンフードですが、どれもひねりが効いています。
たとえばホーム・フリッツのフライドポテトは冷凍ではなくナチュラルなポテトを、ハンドカットしてカラリと揚げたものにブラック・トリュフとパルメザンチーズがまぶしてあり、ケチャップではなく6種類のソースをディップしていただきます。
タクミ・タコスはジャパニーズ・メキシカンのタコスで、マグロの刺身が揚げた餃子の皮で包まれ、スパイシーマヨネーズがかかって出てきます。他にも、すべてオーナー手作りの本格的な生ハムやチョリソー、100%オーガニックの無添加手作りサラダドレッシング、かと思えばラーメンバーガー(ラーメンの玉の間にハンバーグ)などのユニークなものも。
そして、値段は屋台だからといって決して安くはありません。だいたいどれも一皿10ドル(約1200円)、マンハッタンのビジネスマンがテイクアウトするランチと同じか、ちょっとだけ高い値段です。