なぜ米国で「食の屋外市場」が大盛況なのか

「スモーガスバーグ」に熱狂する若者たち

地元はもちろん、全米、いや世界中からのミレニアルズでいつも満員御礼。バンド演奏もありフードマーケットであると同時にフード・フェスティバルでもあります。このスモーガスバーグこそが、ミレニアルズ=フーディの食意識の象徴と言っていいでしょう。このスモーガスバーグが誕生したのが2011年。しかしそこからわずか20年前の若者の食は、まったく違っていました。

グリーンマーケットは、若者たちに大人気

1990年代初頭、ニューヨークの食事情は東京から引っ越した私(=シェリーめぐみ)にはかなりショックなものでした。

まず当時のニューヨークの学生の食べ物といえば1個25セント(30円)くらいで買えるmaruchanのインスタントラーメンか、ちょっと高級な1ドルのカップヌードルで、調理器具は電子レンジでした。20代のビジネスマンのアパートに行くと、食にはさほど興味がないのか、ガスレンジの上には本や雑誌が積み重なっていました。

当時の最先端の若者の街イーストビレッジでも、若者が行くのはビールが激安のダイブ・バーか、安上がりなチャイニーズ・レストラン。野外コンサートに出ている屋台のホットドッグはフニャフニャで肉とは思えず、ハンバーガーのパティは焼きすぎでパサパサ……。「若者」という言葉と「グルメ」はまず一致することはありませんでした。

では一体、いつから変わってきたのでしょうか? それはやはり1990年代です。

1990年代から激変した「食」

米国の景気が回復し始め、アジア系、ヒスパニック系移民の流入がますます勢いを増し始めた90年代。ヨーロッパのエッセンスを加えたニューアメリカンや、エスニック料理の要素を取りいれたフュージョン・キュイジーヌが台頭したのがこの時代です。

同じ頃誕生したのがケーブルテレビ局「フードネットワーク」です。食に関心のある米国人をターゲットに24時間料理と食関連の番組を放送するステーションです。日本のテレビとは違い、料理や食のテレビ番組はほとんどなかった米国で、これは大きな衝撃でした。このチャンネルで放送されて大ヒットしたのが、日本の「料理の鉄人」です(米国題「アイアン・シェフ」)。

これをきっかけにメディアに続々登場し始めた有名レストランのシェフたちが「セレブシェフ」となり、料理をするという行為自体がファッショナブルなものになりました。

この時代に幼少期を過ごしたのがミレニアルズです。

重要なのは、米国人の肥満が国民的な問題になったのもこの時期という事です。食生活を見直そうという動きが高まり始めました。

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