デジタル時代はシリコン・バレーに集まる少数の白人男性エリートがコントロールする社会になりつつあります。
ミレニアルズはどの世代に比べても多人種
格差問題が人種問題である事が明らかになってきたところで、思い出して欲しいのが、特にミレニアルズはこれまでのどの世代に比べても、多様な人種で構成されているということです。
米国では白人の占める比率は下がり続け、マイノリティの比率があがってきています。現在、全人口の62%が白人ですが、1980年代までは人口の8割が白人だったのに比べると、大きな違いです。これがミレニアルズになると白人の比率は57%に下がります。残り43%がヒスパニック(19%)や黒人(14%)、アジア人(5%)をはじめとしたマイノリティです。それより下の世代になると、白人と白人以外の比率は半々になります。
今後、マイノリティのさらなる増加に伴って格差問題が深刻になると予測するのは簡単ですが、それだけではありません。格差が広がるにつれ貧困も悪化し、社会保障費の増大で国家予算を圧迫、社会が不安定になり人種間の軋轢も増大していきます。それを望まないミレニアルズたちが、富裕層への増税を主張し、格差是正を訴える民主党を支持しているのです。
もともとマイノリティは、リベラルである民主党を支持しています。黒人のうち民主党支持者が80%、アジアン65%、ヒスパニック56%ですからマイノリティが増える、イコール民主党支持者が増えるといっても間違いではありません。
逆に白人の49%は保守の共和党支持で、民主党支持の40%を上回っています。白人(保守共和党)対マイノリティ(リベラル民主党)という図式があることもぜひ覚えておいてください。
一方、多人種、多民族社会で生きるミレニアルズは、誰もが自由に生きる権利を持つという「公民権」に敏感です。他人の生き方を批判せず、リスペクトしながら、自分の個人の生き方を大切にする個人主義世代である、という話を前回しました。
これも前回も触れた同性婚への態度がそれを象徴しています。実にミレニアルズの7割は同性婚は合法化されるべきと考えています(前世代のジェネレーションXは59%、ベビーブーマー45%、サイレント・ジェネレーション39%の賛成にとどまります)。