妊娠中絶に関しても同様で、6割が妊娠中絶は公民権として合法化されるべきと考えています。こうした考え方もミレニアルズのリベラル傾向を裏付けています。
今年6月、われわれがニューヨークのミレニアルズにインタビューして回った際、しばしば上がってきた大統領候補の名前が民主党のバーニー・サンダースでした。
その時点ではマスメディアはほとんどノーマーク。若者に支持されているのですが、1941年生まれの白髪の74歳です。ニューヨーク、ブルックリン出身。バーモント州選出で無所属としては史上最長の、上下院あわせて24年間という長い任期を務めてきました。
では彼のいったいどこが若者にアピールしているのでしょうか?
自ら「社会民主主義者」を名乗る彼は、民主党の中でもかなり左寄り、アウトサイダー的な存在です。行き過ぎた減税をはじめ自由市場主義がもたらした格差の異常な拡大や、国内産業の衰退を強く批判しています。また無所属出身ということでどの権益ともつるまないクリーンなイメージも若者の支持を得ているのです。
浮上する、共和党候補ベン・カーソン
一方、共和党候補で2位につけているベン・カーソンは元神経外科医で現在64歳。この人もあまり政治家らしくないところをあえて打ち出して、保守派ミレニアルズにアピールしています。また保守派なのに課税の見直しによる格差是正を打ち出すなど、共和党の中でも「リベラル寄り」の立ち位置をキープして若い有権者の支持を得ています。
実はこの「リベラル寄り」というのが重要な鍵です。ミレニアルズはたとえ共和党支持であっても「自分は保守」という人は実は半数しかいません。共和党を支持しているけれど、考え方は「リベラル寄り」。例えば従来ならありえない「同性婚OK」という共和党ミレニアルズも増えているのです。
では果たして誰が大統領に選ばれるのでしょうか? リベラルだから民主党でしょうか?いえいえ、そう簡単にはつかめないのがミレニアルズの面白いところです。