5年越しの三角関係に終止符。ヤマダ電機がビックカメラからベスト電器を奪取
ついにガリバーも動き出した。家電量販店首位のヤマダ電機は、同業のベスト電器を買収する。8月20日~12月31日の払込期間にベストの第三者割当増資を引き受け、47%超の株を取得。買収額は121億円となる見通しで、ヤマダが従来から保有していた持ち株を合算すると、ベストに対する議決権の51%を保有する親会社となる。ベストを連結子会社化した後のヤマダの売り上げ規模は2兆円を超え、2位以下のライバルたちを引き離す格好になる。
ベストはこれまで、持ち株比率15%の筆頭株主であるビックカメラの持ち分法適用会社だった。が、今回の第三者割当増資により、ビックカメラによる持ち株比率は7.95%に低下する。現在、ベストからビックカメラに資本提携解消を持ちかけているという。
会見終了後、山田昇ヤマダ電機会長に記者が殺到
ヤマダの創業者である山田昇会長は数年前まで、「同業を買収するよりも、自社で出店した方が効率がいい」とのスタンスだった。日本全国に店舗網を構築するヤマダにとって、同業の買収は商圏が重複する店舗を多数抱えることになり非効率だ。だからこそ近年は、住宅メーカーのエス・バイ・エルなど異業種をM&Aすることで事業領域の拡大を進めてきた。
しかし、様子が変わったのは今年5月。5位のビックカメラが6位のコジマを買収し、業界2位にのし上がってから。このとき山田会長は、「再編の動きはこれからもある。シェアを拡大する買収なら意味がある」と前向きな姿勢をのぞかせていた。