北海道新幹線は「B級」観光資源で勝負すべき 函館をいかにアピールできるかが鍵

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函館ワインを吹きかけて焼いた「焼き豚」。ご飯との相性も抜群のやきとり弁当だ(写真:筆者)

■ハセガワストア やきとり弁当

ハセガワストアは道南を中心に出店しているコンビニで、店内で調理された「やきとり弁当」が評判。道南で「やきとり」とは「焼き豚」を表す。函館ワインを吹きかけて焼いた独特の香ばしさが漂う「やきとり」は、ご飯との相性が抜群。 

 

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市民創作 函館野外劇。飛び入り参加も可能(写真:筆者)

 ■市民創作 函館野外劇

函館の歴史がストーリーの野外劇。夏に開催され、2015年で28回を数える。五稜郭の土手とお堀を舞台に、5000人以上の市民が演じるという壮大さ。観光客も飛び入り参加が可能。2015年は昼間開催だったが、それまでの夜間開催の幻想的雰囲気も捨てがたい。

 

■函館バル街

チケット制でエリアの複数の飲食店をはしごできるイベントを「バル街」と呼び、近年全国で開催されるようになったが、函館はその発祥の地。函館にはスペイン料理の名店が数多くあり、バル街ではそれらを格安で食べ歩きできるので大人気。

八戸での成功例

このような潜在的な資源を活用して成功した事例として、八戸の市場一体型飲食施設である「八食センター」と、屋台村である「みろく横丁」を挙げることができる。

八戸では東北新幹線の八戸延伸を控えて観光振興が叫ばれたが、観光客に大きく依存する事業では観光客が減少する冬季に苦戦必至なので、住民にも愛される施設を目指し、地道に振興するのが得策とされた。

その際、振興された観光資源のひとつがB級グルメ「せんべい汁」である。このせんべい汁はB級グルメという言葉が今ほど世間に浸透していないときから振興がうたわれ、いまや八戸を代表する観光資源のひとつに育っている。

観光で最も期待のかかる函館を中心に、北海道新幹線の沿線ではこのような事例を参考に、さまざまな潜在的な観光資源に光を当て、中長期的に観光効果を増加させるよう、努力すべきであろう。

岡田 豊 みずほ総合研究所 主任研究員

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おかだ ゆたか / Yutaka Okada

1967年生まれ。慶應義塾大学卒業後、現在のみずほ総合研究所の前身である旧富士銀行系シンクタンク・富士総合研究所に入社。地域政策、地域活性化等を研究する。趣味の世界では、2000年のモノポリー世界選手権でチャンピオンに輝き、日本モノポリー協会専務理事の肩書も。モノポリー大阪版・横浜版の開発を監修し、各地元企業の知名度向上にも貢献している。

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