「頭部装着ディスプレイ」が次々に登場
ゴーグルやヘルメットのようなかたちのHMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)を頭部に装着する。目の前には宇宙空間が広がる。自分は戦闘機のコックピットの中にいて、近くでは巨大な宇宙戦艦が激しい戦いを繰り広げている。画面を変えると、エベレスト登山隊の一員として仲間の隊員に励まされながら、激しい吹雪の中を少しずつ歩んでいる。
実際に自分自身が宇宙や雪山にいるような錯覚を覚えながらも、疲れたら電源を切れば、いつもの自室に戻ってくることができる。仮想現実(VR: Virtual Reality)を用いることで、気軽にこのような体験ができる日が、いよいよ近づいてきている。
2012年、米国ベンチャー企業Oculus VRによる最新技術を使ったVR機器の発表は、全世界のゲーム・エンターテインメント業界に驚きとともに迎えられた。開発は難航しながらも、2014年、米国SNS最大手フェイスブックによって20億ドルで買収されたことで弾みがついて、製品・サービスのブラッシュアップは一気に進んだ。そしていよいよ、2016年前半に、正式な製品となるオキュラスリフト(Oculus Rift)が発売されようとしている。
加えて、その発売にあわせるように、韓国のサムスン電子からは同社製スマートフォンをゴーグル型フレームに装着するGear VRが、日本のソニーからは同社のゲーム機器と連携するPlayStation VRが相次いで発表、および発売の運びとなり、2016年には大手企業の端末の多くが出そろうことになる。
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