「VRジャーナリズム」はホントに普及するのか NYタイムズマガジンの編集長に直撃
NYタイムズマガジンは4月下旬、フランス人の路上アーティスト・JR氏が手がけた「Walking NY」という特集の一貫として、同誌として最初のバーチャルリアリティ(以下VR)コンテンツを発表した。グーグルカードボードというデバイスを使ってモバイルアプリ「VRSE」上でニューヨークの街並みが360度体感できるというものだ。
グーグルカードボードを持っていなくても、アプリをダウンロードすれば、コンテンツの一部分は体験できる。スマホを傾けたり、左右に動かしたりすることで360度の動画が楽しめる。
同誌の母体であるニューヨークタイムズは2012年末から、画像・動画・文章を組み合わせて読者を「没頭」させる取り組みである「Snowfall」型というコンテンツを、他のメディアに先駆けて発表し、業界内で話題を呼んできた。
広がらなかった「Snowfall」型
実際に体験してみるとわかりやすいが、画面の背景いっぱいに雪山の動画が流れて迫力満点な上、文章をスクロールしていくだけでページが切り替わる仕組みも斬新だ。しかし、読者を長編記事に没頭させようと約2年半にわたってこのタイプでいくつかコンテンツを出してきたものの、最近はあまり新しいコンテンツを作っていない。多大な制作コストに見合うPV数などの成果が得られなかったためだと思われる。
「Snowfall」型よりもより一層リアルな体験を生むVRコンテンツは「Snowfall」の二の舞いとなるのか、それともNYタイムズは「本気」でこの分野に取り組もうとしているのか。それを探るべく、まずどういった経緯で今回のVRコンテンツが実現したのか取材をした。
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