エジプトで400日拘束された記者が語る真実 「ムスリム同胞団」を支援していると疑われた
2月1日、オーストラリア人ジャーナリストで中東カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ」英語放送の記者ピーター・グレステ氏(49)が、400日に渡るエジプトの刑務所での拘束から釈放された。
2013年12月、カイロに出張中だった同氏は、エジプトで禁止されている政治組織「ムスリム同胞団」を支援する報道をした罪などに問われ、アルジャジーラのカイロ支局長モハメド・ファーミー氏(40)、プロデューサー、バーハ・モハメド氏(30)らとともに逮捕された。
「正当な取材であった」として無罪を主張した3人の釈放を求める国際的キャンペーン(ハッシュタグ#FreeAJStaff)が大々的に展開されたが、昨年6月、3人はテロ容疑関連で有罪(7年から10年の実刑判決)となった。
転機は今年1月に訪れた。エジプトの最高裁が1審判決を破棄し、裁判のやり直しを命じたのである。大統領令によるグレステ氏の釈放後、2月12日にはファーミー氏、モハメド氏が保釈された。オーストラリアにいったん帰国後ロンドンを訪れたグレステ氏は、19日、ジャーナリストのクラブ「フロントライン・クラブ」で自らの体験について語った。
会見は「フロントライン・クラブ」で行われた
2月19日午後、「フロントライン・クラブ」の会見場はピーター・グレステ氏の釈放運動支援者、ジャーナリスト、カメラマンなどで埋め尽くされた。
グレステ記者が演台に上ると、クラブのオーナーによる掛け声の下、全員が総立ちになり、釈放を喜ぶ割れんばかりの拍手をした。動画の大部分はYouTubeに公開されており、自由に視聴できるので関心のある方は、そちらもご覧いただきたい。以下は会見のハイライトである。若干、言葉を補足、整理した部分があることをご了承願いたい。
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