パリ同時テロが「米大統領選挙」に落とす影

ヒラリー氏に追い風、トランプ氏に逆風?

演説するヒラリー候補(写真:AP/アフロ)
日本を代表する3大シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所に、6回にわたって2016年の日本を予測してもらう本連載。第2回は、『経済がわかる 論点50 2016』を上梓したみずほ総合研究所の安井明彦氏が、パリを襲った同時多発テロが2016年の米国大統領選挙に与える影響を分析する。

 

パリを襲った同時多発テロ。海を挟んだ米国にも、大きな衝撃が伝わった。米国は長期間にわたって中東での軍事活動を続けており、2001年の同時多発テロの記憶も残る。2016年11月に投票が行われる大統領選挙には、どのような影響が及ぶのだろうか。

軍の最高司令官を選ぶ選挙

2016年の国内外の経済の重要な動きを先読みできる「50の論点」を1冊にまとめた決定版

2016年の米国では、4年に1度の大統領選挙が行われる。実質的な選挙戦は2014年11月の中間選挙が終わった直後に始まっており、投票が行われる2016年11月までの2年間にわたり、長丁場の戦いが繰り広げられる。

選挙期間が長いだけに、その間に起こった出来事によって、選挙戦の流れは何度も変わりうる。今回の同時テロも、選挙戦のひとつの節目となりうる出来事である。

目に見える影響は、すぐさま表れた。パリ同時多発テロの翌日、11月14日には、党の指名候補を選ぶ予備選挙に関連して、民主党の候補者によるテレビ討論会が予定されていた。当初の予定では、国内問題を中心にした討論会になるはずだったが、パリでの惨事を受けて、テロ対策や外交問題が、急きょ重要な論点に据えられた。

冒頭では犠牲者に黙禱がささげられ、各候補はパリ同時多発テロに関する意見から発言を始めるよう促された。予備選挙に出馬しているヒラリー・クリントン前国務長官の最初の言葉は、「フランスのみなさんと共に祈りたい」だった。

次ページ追い風を受ける候補、逆風になる候補
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 就職四季報プラスワン
トレンドライブラリーAD
人気の動画
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT