仏高速鉄道「TGV」脱線事故はなぜ起きたのか

同時テロの影で発生したもう一つの大惨事

 

2015年11月13日、パリ市内複数個所で同時に発生したテロ事件は、日ごろ多くの人が観光やビジネスで訪れることから、我々日本人にも大きな衝撃を与えた。しかし、このテロ事件の翌日、ドイツ国境に近いフランス東部ストラスブール近郊で、もう一つ別の大事故が発生していた。フランスの高速列車TGVの試運転列車が横転して、多数の死傷者が出る大惨事となっていたのだ。

事故は11月14日15時31分頃、ストラスブール近郊の村、エックヴェルスハイム付近で発生、事故現場は2016年4月に開業予定の高速新線、東ヨーロッパ線2期区間ボドルクール-フェンデンハイム間のうち、もっともストラスブール寄りの在来線合流地点付近で、フェンデンハイムから直線距離で約3km、ストラスブールからは約12kmの場所だ。

最後尾車両が運河に転落

当該区間は、在来線へ合流するために西行きと東行きの線路がちょうど分離し、間隔が開いている箇所で、運河を跨ぐために築堤となっている。西のメッス方面から進んできた線路は、ちょうどこの場所で進路をカーブで南へ向けて在来線へと合流し、ストラスブールへ向かう。事故車両は、カーブ内側の線路から外側へ押し出されるような形で、両線路の間にある空き地と、線路を横切る形で流れる運河の中へ転落した。

多くのニュース記事で配信されている、運河に転落した機関車とその隣の客車は、映像から判断するところ最後尾車両で、上空から撮影された映像では、車両は2本ある線路の中央付近に編成の原形を留めない姿でバラバラに横たわっている姿を見ることができる。

空き地付近の草地は無残にはぎ取られ、そこに無造作に横たわった車体は、2005年に尼崎で起きたJR福知山線脱線事故を思い起こさせる。フランスの高速鉄道史上、試運転・営業中を問わず、もっとも重大な事故だったと報じられている。

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