2016年、日本経済は「前向き志向」へ転換する

「アベノミクス」には頼れないが、地力はある

2016年は、アベノミクス総括の年になりそうです(撮影:尾形 文繁)
日本を代表する3大シンクタンクである三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所に、6回にわたって2016年の日本を予測してもらう本連載。第1回は、『2016年 日本はこうなる』を上梓した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木明彦氏が、2016年の日本経済を展望する。

アベノミクスで何が変わったのか

毎年大好評の日本経済予測、2016年版。マクロ経済やグローバル市場から個別企業の動きまでを、幅広く取り上げる

2012年の終わりにスタートしたアベノミクスは、2016年に4年目を迎えます。当初は円安・株高が急速に進み、景気も回復に転じて、日本経済を取り巻くムードは一気に明るくなりましたが、ここにきて日本経済もアベノミクスも様子がおかしいと感じる人が増えてきたのではないでしょうか。

このままだと、また元の悲観ムードに逆戻りしてしまいそうです。ですが、私たちは、2016年の日本経済は「前向き志向」へ転換すると予想しています。

それを説明するために、まずはアベノミクスのこれまでを見ていきましょう。日本経済に対する悲観的なムードが出てくる中で、2016年はアベノミクスが正念場を迎えるとも言われています。そもそも、アベノミクスで日本経済の何が変わったのでしょうか。

たしかなことは、アベノミクス登場とともに円安と株高が加速したことです。円安によって輸出企業の収益は改善し、株高は人々のマインドを高揚させました。ちょうどそのころ、景気が回復してきたことも幸いして、アベノミクスのおかげで日本経済は良くなるという明るいムードが広がったのは間違いありません。

それまで大勢を占めていた「デフレだから景気が良くならない」「円高だから輸出が増えない」「日銀が思い切った金融緩和をしないから日本経済はダメになる」といった悲観論が、「アベノミクスで日本経済は復活する」という楽観論に変わったということです。

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