2016年、日本経済は「前向き志向」へ転換する

「アベノミクス」には頼れないが、地力はある

たとえば、高速道路の延長に合わせて、新しいインターチェンジ周辺には大型の物流施設ができているようです。

また、全国に展開している大手のコンビニエンス・ストアでは、自社ブランドの食材を専門に供給する会社と地域ごとに契約して、サプライチェーンを形成するようになっています。規模は小さいですが、全国に多数の工場が作られ、良質な食材をきめ細かく配送するようになっています。ひとつひとつは小さな動きかもしれませんが、こうした動きが広がってくれば、日本経済の先行きは確実に明るくなってくるでしょう。

政治に期待すること

最後に、政治に期待することは何でしょうか。

まず、信頼できる景気判断を出すべきです。アベノミクス効果が出て景気は回復していると宣伝したい気持ちはわかりますが、輸出や生産など景気に敏感な経済指標を見る限り、回復という判断を続けるのは無理があります。「政治的圧力が政府の景気判断に影響しているのではないか」といった疑念がささやかれるようになったらおしまいです。

景気が回復していないのであれば、アベノミクスに対する評価も変わってきます。デフレ脱却・円高阻止というスローガンを掲げて走り続けることが妥当なのか、よくよく考えないといけないでしょう。金利が上がったら巨額の借金を抱える政府の財政は大変なことになる、というのはその通りですが、このまま日銀が大量の国債を買い続けていけば、将来もっと大きなつけを払うことになります。

「消費者物価が2%上がると、何かいいことがあるのか」という素朴な疑問を、経済学を知らない人の言葉にすぎないと片づけてしまっていいものではありません。物価目標にこだわることは、金融緩和からの出口を遠くします。デフレ脱却の旗を下すことは、政治的に難しいでしょうが、2016年はアベノミクスの総括が大きなテーマになりそうです。

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