そもそも、VRの歴史は長く、原点といえる機器の登場は1962年のSensoramaまでさかのぼる。Sensoramaは現在のアミューズメント施設にあるような筐体一体型のゲーム・マシンで、大きな機器の中に頭を入れ、中で響く音や目の前に映る映像を楽しむものだった。
その後、現在のHMDのデザインに近いThe Ultimate Displayなども登場するが、1990年代後半に任天堂が発売したバーチャルボーイを最後に、VR業界は2012年のOculus登場まで、空白の15年あまりを過ごすこととなる。こうした歴史背景もあり、2016年は第2次VRブームとも、次世代VR元年とも呼ばれている。
「リアリティ」が向上し、違和感がなくなる
では、いったい何がこの15年間に起き、VRの盛り上がりにつながったのだろうか。
ひとつは、PlayStation4やXbox Oneといった最新ゲーム機器に代表されるように、機器のグラフィック描画性能が大幅に向上したことによる。HMDで視界のすべてが仮想空間で囲われても、以前のような違和感はなく、ユーザーが空間を現実のように錯覚できるようになった点が大きい。
端末の大きさも、頭に装着できる程度にまでコンパクトになった。
また、通信ネットワークの大容量化・高速化によって、多種多様なゲーム・エンターテインメントコンテンツへのアクセスも可能になったことで、ユーザーは飽きることなくサービスを楽しめるようになった。
リアリティ(現実感)と利用環境の圧倒的な向上を図ることができたことで、50年近い時を経て、ようやくVRが本来のコンセプトのとおりに展開していく下地が整ったと言える。
こうして、VRの活用に積極的なゲーム・エンターテインメント業界が盛り上がりを見せる一方、消極的な見方をする市場アナリストらも少なくない。それらの意見の多くは、実際に購入するユーザーの数の少なさを指摘している。
VRを使ったゲームやエンターテインメントのサービスを受けるには、消費者はまず映像を目の前で見せてくれるHMDやスマートフォンに接続するゴーグル型フレームを購入する必要がある。VR用HMDはおおよそ3万円から5万円前後での発売になると見込まれており、VRの価値がよくわからない未利用者にとっては、お試しで購入できる金額ではない。
また、スマートフォン向けゴーグル型フレームであっても、現状存在するのはサムスン端末向けのみのため、iPhone利用者や、非スマートフォン所持者は購入できない。
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