北海道新幹線は「B級」観光資源で勝負すべき

函館をいかにアピールできるかが鍵

新たな観光資源という意味では、函館を中心とする道南は北東北と連携して、周遊型観光を開発することが効果的であろう。青森駅・函館駅間の所要時間は北海道新幹線開業によって劇的に短縮され、道南と北東北の2つを同時に楽しめる観光パターンが生まれる。

「ライバル」航空機と組むべし

その際、新幹線のライバルとされがちな航空機と組んだツアーに期待が持てる。たとえば、航空機で青森まで行って、北海道新幹線で函館に移り、函館から航空機で帰るなら、航空機と新幹線で既存の観光客を奪い合うことなく、双方にメリットがあろう。

そして、この経験こそ、北海道新幹線の札幌延伸に生きる。札幌駅・新函館北斗駅間の所要時間が約1時間に激減するからだ。札幌延伸で手軽にできる札幌と函館の周遊こそ、来るべき北海道新幹線全線開通の最大の効果になるはずだ。

そのうえ、延伸予定ルートの沿線には訪日外国人に人気のニセコがあり、札幌延伸後は、航空機で北海道入りした訪日外国人が道内をより容易に楽しめるようになる。したがって、2016年春に開業する北海道新幹線の沿線、とくに函館は、将来の札幌延伸をにらんで、航空機と新幹線のコラボによる周遊型観光の開発に力を入れるべきであろう。

函館は特上の「B級」観光資源であふれている

また、知名度があまり高くない観光資源開発も鍵になる。潜在的な観光資源の発見こそ観光客にとって大きな喜びにつながり、リピーター化しやすい。また何かあるかもしれないという期待感につながるからだ。

さらに、知名度が高くないということは、「他人に伝えたい」ニーズを満たす可能性が高い。インターネットの時代だからこそ、このような「クチコミ」が新たな観光客の発掘につながる。

知名度が少し低くても住民に長年親しまれているB級グルメが、知名度の高いA級グルメをしのぐ効果を地域にもたらす時代である。いわば「B級」観光資源こそ、将来の成長可能性が高い「宝物」といえる。そのうちいくつかを以下に紹介する。

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道南限定のハンバーガーチェーン店・ラッキーピエロ。ご当地バーガー日本一のメニューはここでしか味わえない(写真:筆者)

■ラッキーピエロ チャイニーズチキンバーガー

ラッキーピエロは、道南で大手をしのぐ人気を誇りながら、道南以外に出店していないハンバーガーチェーン。代表メニューの「チャイニーズチキンバーガー」は、甘辛タレとから揚げチキンが特徴の、ご当地バーガー日本一に輝く逸品。 

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