カンファレンスの参加者からは、さまざまな声が上がっています。
日本ベンチャーキャピタル協会会長の仮屋薗聡一氏は次のように語りました。「画期的取り組み。日米VCの根本的違いは、発想のスケール感であると改めて痛感した。次世代を担う侍起業家候補のみならず、侍VCの米国派遣も考えていいだろう。何より直接のインタラクションが重要。来年以降も「継続性」を最重要視すべきだ」。
シリコンバレーの弁護士のJoseph Z. Perkins氏は「このイベントでは、シリコンバレーのいいところと、日本がスタートアップマーケットで競争力をつけていることが、バランスよく語られていた」と高く評価。「スピーカーの質が高く、幅広いトピックが挙げられていたので、エコシステムの一員として興味深かった。イベントに参加したことで、日本との今後の連携について高揚感を覚えた」と続けました。
500startupsの日本支部代表のJames Riney氏は「とても印象的なカンファレンスだった」と感想を述べました。「これほどの日本のエリートがシリコンバレーに集まることは驚異的。日本が将来について前向きに取り組み、起業家を応援するようになったと感じた。次回も楽しみ。シリコンバレー側の参加者が増えるともっと良いと思う」。
そして、このカンファレンスの企画・運営の中心人物の伊佐山氏は、会合への想いを語ります。
「最近日本では、好景気も追い風に、イノベーションやシリコンバレーへの関心は高まっていますが、まだまだ行動に移すことができている企業は多くありません。このイベントで登壇した世界の一流プレーヤーのやり方や、成功のモデルを直接聞くことで、今後Thinker(考える人)がDoer(行動する人)に変わることを期待しています。また、カンファレンスの舞台になった、スタンフォード大学の自由の風を、もっと日本に持ち帰ってもらうことで、挑戦と失敗に寛容な社会を実現できればと思っております。」
進化を続けるシリコンバレーと繋がる
今回の会合を通じて感じたのは、シリコンバレーにおけるビジネス展開の「スピード」と「スケール」でした。失敗を恐れず、素早く意思決定し、事業を進める「スピード」、そして世界から集まる人材・技術と潤沢な資金を結び付けて実現する「スケール」です。
これは、つねに言われていることで、筆者も十分に認識していたことですが、登壇者やネットワーキングで話をする人々のほとんどすべてが、一貫してこの点を語ることから、やはり、これがこの地の基本理念であり、流儀なのだと改めて感じました。新しいものを取り入れ、大きな変化を続けるシリコンバレーの進化は加速しています。
一方、日本には、コツコツと積み上げる、深く探求して事を進める流儀があります。日本の技術力やものづくりの力を支えるこのスタイルは、シリコンバレーの流儀とは一線を画すると感じました。しかし、現在、シリコンバレーをはじめグローバルな環境変化のスピードがますます速くなる中で、われわれもさらにスピードをもって進化する必要があると思いました。
日本においてベンチャーが次々と生まれ成長するベンチャーエコシステムを形成するためには、進化を続けるシリコンバレーと人的に強く繋がり、シリコンバレーの流儀と日本の流儀や技術力を融合し、プレーヤーとシステムがつねに進化するようにすることが必要ではないでしょうか。
今回の「MOMENT2015」は、日米のベンチャーエコシステムのキープレーヤーであるベンチャーキャピタルが繋がる機会になりました。また、日本の若手起業家や大企業からの参加者が、シリコンバレーのスピードとスケールを再確認する機会にもなりました。このようなイベントを通じ、シリコンバレーと日本のベンチャーエコシステムが強く繋がり、ベンチャー創造の好循環が生まれることを期待しています。
「日本再興戦略 改訂2015」では、シリコンバレーと日本の架け橋プロジェクトとこれを起点にした「グローバルなベンチャーエコシステムとの連動」が掲げられています。今後ともこのためのさまざまな支援策を継続していきます。
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