《日本ご当地ラーメン総選挙》栃木・佐野ラーメンが2度の雪辱を果たし、悲願の優勝! 和食業界20年の店主が日本一を掴んだ"攻めの戦略"

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田邉さん自身も、県外イベントへの出店を積極的に行ってきた一人だ。一方で、「佐野らーめん予備校」を経ての独立については、冷静な視点も忘れない。

「独立して形にはなります。でも、クオリティを保てるかは本人次第です。佐藤さんのように覚悟を持って積み上げられる人でないと簡単にうまくはいきません。

それでも、佐野ラーメンには他地域にはない強みがあります。伝統のあるラーメンなのに、次の世代がちゃんと熱を持っている。これはかなり珍しいことだと思います」

佐藤さん自身も、今の佐野ラーメンには課題が多いと感じている。原材料費の高騰をはじめ、店主の高齢化やそして青竹手打ちの技術継承についてだ。

「年を取ると、青竹打ちは本当にきつい。だからこそ、きちんと技術を残していかないといけないと実感しています」

佐藤さん
残された課題の解決も視野に入れると、佐藤さんの挑戦は始まったばかり(写真:筆者撮影)

“ご当地ラーメン日本一”はゴールでなくスタート

受賞後、佐藤さんは佐野市長を表敬訪問し、行政と連携しながら味と技術を「文化」として残していく意志を伝えた。

「全国の人が、佐野ラーメンを食べる機会がまだ少なすぎると思うんです。まずは佐野に人を呼びたい。町が上がらないと、店も続かないですからね」

ご当地ラーメンの日本一はゴールではない。それは、佐野ラーメンがもう一度、全国へ向かうためのスタートラインだ。今回の日本一を通じて、確実に町と文化が動き始めている。

佐野ラーメン
佐野ラーメンがさらにはばたいていく様子を見守りたい(写真:筆者撮影)
【もっと読む】『マツコの知らない世界』でも注目、ラーメン日本一を争う山形・新潟の「ラーメン文化」が奥深すぎる! ラーメン消費額で常に上位も“納得の理由"では、ラーメンを生活文化として育んできた山形県と新潟県における地域の風土、食の知恵、行政の戦略、民間の挑戦の歩みについて、詳しく解説している。
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井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

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いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

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