愛や恋は「死ぬまで、消えないんじゃないかしら」…【88歳の女性作家】が綴る驚くべき"愛のカタチ"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

どこであろうと構いませんから、静かに身体を休めるといいでしょう。静寂の中にいると、内なる炎に薪をくべる術(すべ)を取り戻せます。その炎の中で魂は静かに輝き始め、それでいて見返りを求めることはありません。

愛を語る言葉についてまわる、ぬぐいがたい「偽善」

年齢を重ね、もう働かなくとも暮らしを維持できる贅沢を手に入れ、欲望を手放し、削ぎ落としていく中で、わたしはようやく本当の意味で、生きるという大いなる冒険を始められる気がしています。

『老いることの驚きと幸せ これから年を重ねていくあなたへ、88歳の作家からの手紙』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

でもね、こんなふうに得意げに語っても、謙虚であれとたちまち自分を戒めることになります。わたしには暮らしていけるだけの経済力があります。でも、貧困にあえぐ人たちはどうでしょう?

路上や段ボールで暮らすホームレスがこの国には何十万人もいます。人口の13パーセントに当たる4400万人が、日々飢えに苦しんでいます。食べる物もない幼い子どもまでいます(世界全体で見れば、毎日飢えに苦しむ人は10パーセント、つまり8億人にものぼります)。

それでもそうした人たちが見せる勇気は、なんと力強いことでしょう。戦争で家を爆撃された人、あるいは火災や洪水、飢饉や地震、津波や土砂崩れに襲われた人は?

今本当に必要なのは、支援金なのかもしれないのに、愛を語るなんて恥ずかしくなります。老いの中で「手放す」ことは容易だと語るわたしの言葉は、偽善に満ちています。なんという嘘を、わたしは自分に言い聞かせてきたことでしょう。

それにしても、人間とは、なんと勇敢な存在なのでしょう。ただただ頭が下がるばかりです。

ソフィ・バーナム 作家、劇作家、エッセイスト、詩人

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Sophy Burnham

1936年生まれ。アメリカの作家、劇作家、エッセイスト、詩人。

著書16冊を刊行している作家であり、そのうち3冊は「ニューヨーク・タイムズ紙」のベストセラーとなっている。作品は26言語に翻訳されており、ノンフィクション、小説、短編、詩、戯曲、ドキュメンタリー映画、児童文学、ラジオドラマなど、多岐にわたるジャンルで執筆活動を行っている。世界各国で配信された記事やエッセイも数百本にのぼる。日本で翻訳されている著書に『天使の本』(ジャパン・タイムズ)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事