定職・家族なしで40代突入、感じた「生き方の限界」 中年になると「ダメ人間だから」が通用しない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
40代半ばになって感じる心身の「衰退」とは(撮影:今井康一)
定職に就かず、家族を持たずフラフラすごし、ネットの仲間を集めてシェアハウスを作った20代と30代。「日本一有名なニート」とも呼ばれたphaさんが、40代半ばのいま感じるのは「すべての衰え」。
ずっと右上がりに楽しいことだけやって生きていけたらいいな、と思っていたのに、最近は本を読んでも音楽を聴いても旅行に行っても楽しくない。
そんな中年の日常を描いたエッセイ『パーティーが終わって、中年が始まる』から抜粋し、3回にわたってお届けします。

普通の中年になんかなりたくなかった

こないだ道を歩いていたら、そこは歩道と車道が分離されていないタイプの道だったんだけど、あまりスピードを落としていない車が、僕の後ろから、体スレスレのところを通り過ぎていこうとした。

その瞬間、近くを歩いていた20歳くらいの男の子がとっさに僕に向かって、
「あぶない、おじさん!」

と叫んでくれて、それを聞いた僕はあわてて車をよけた。

そのこと自体は何事もなく無事に済んでよかった。しかし、あの男の子は反射的に、純粋に善意で注意してくれたのだろうけど、「そうか、自分はもうおじさんと呼ばれてしまう年齢なんだな……」と思って、少し落ち込んでしまった。

次ページ「なんとかなるんじゃないか」と思っていた
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事