互いの【距離感】がうまく取れずに悩む夫婦も…「さみしがり」と「ソロ好き」が上手に付き合うコツ

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互いの気持ちを共有できない理由について解説します(写真:Pangaea/PIXTA)
夫や妻、恋人などとうまく距離感が取れずに悩んでいる……。そうした人間関係のズレの原因として脳科学者の中野信子氏が指摘するのが、1歳半くらいまでに形成され、90%の確率で生涯変わらないといわれる、他人との「愛着関係」です。
養育者との関係によって形成される4つの基本的な人格とは、いったいどんなものなのでしょうか。中野氏の『「さみしさ」に負けないための脳科学』から一部を抜粋・編集する形で、その4つの類型について解説します。

「さみしさ」のはじまりは生後3カ月から

生まれたばかりの赤ちゃんには、「快」「不快」の感覚しかありません。しかし、成長するにつれて喜怒哀楽といった複雑な感情が少しずつ増えていきます。

さみしいという感情は、生後3カ月頃から生じると考えられています。特定の相手(主に母親)のそばにいると赤ちゃんは安心しますが、その人の姿が見えないと激しく泣いてしまったり、姿が見えていても泣いて抱っこをせがんだりするようになります。

こうした場合は、さみしいという感情がセキュリティとして反応しているといえます。というのも、人間の赤ちゃんは、ほかの動物と比較してかなり未熟な状態で生まれるからです。

ほかの動物は、生まれて間もなくすると自分の足で立ち上がり、自分から母親のところへ行って母乳をもらうことができます。けれども人間の赤ちゃんは、立ち上がることすらできません。24時間、大人からしっかりと世話を受けなければ生存することは不可能です。

そのため赤ちゃんは、自分を安全に守ってくれる大人がそばにいないと察すると、大きな声で泣いて助けを求めるのです。

赤ちゃんにとってさみしさを感じる状態は、「誰も助けてくれない状態」、つまり「死」に直結するので、その意味でもさみしいという感情は、生存にとって必要だと考えられます。「そばにいてほしい!」と泣いてアピールできる子のほうが、生き延びる確率が高くなるからです。

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