互いの【距離感】がうまく取れずに悩む夫婦も…「さみしがり」と「ソロ好き」が上手に付き合うコツ

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個人の例で恐縮ですが、わたしはもともと①の「回避型」で、ひとりでいる時間を必要とするタイプではありますが、もう少し人を信頼するようにしようと意識し、ひとりの信頼できる人(夫です)に出会えて、次第にほかの人も信頼できるようになりました。

互いに心地いいと感じる「距離感」には違いがある

話を戻すと、様々な事情によって致し方がないことも多いのですが、1歳半くらいまでの養育者との関係によって、その後の人生における他人との付き合い方が異なってくるということです。

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ただ、これは決して悪いことだけではありません。

タイプとして他人とともに過ごすことが得意でない人もいますし、ひとりが向いているという人もいます。遺伝的な理由もあれば、後天的に育まれる要素もあるということです。

たとえば、夫や妻、恋人などとうまく距離感が取れず悩んでしまうというケース。

それは、あなたとほかの人とでは、1歳半くらいまでの養育者との関係性や心理的距離感がそれぞれ違うため、互いに心地いいと感じる距離感に違いがあるからかもしれません。

いつも母親が一緒にいて、たくさんスキンシップを取りながら育った人は、恋人や配偶者に対しても近づきたいと思い、相手のことをよく知りたいし、互いの気持ちを共有したいと考えます。

しかし、両親が忙しくてあまり相手にしてもらえないまま育った人は、相手と少し距離を置いている状態がちょうどいいのです。

互いの気持ちを共有できない理由や、心地いいと感じる距離感が異なる理由には、こうした背景があることを覚えておきましょう。

中野 信子 脳科学者

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なかの のぶこ / Nobuko Nakano

医学博士、認知科学者。1975年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。フランス国立研究所にて、博士研究員として勤務後、帰国。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。現在、東日本国際大学教授。著書に『脳内麻薬』『ヒトは「いじめ」をやめられない』『サイコパス』などがある。テレビ番組のコメンテーターとしても活動中。

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