互いの【距離感】がうまく取れずに悩む夫婦も…「さみしがり」と「ソロ好き」が上手に付き合うコツ
これは、母親には母乳を与えるという本能が備わっており、脳が赤ちゃんの泣き声に素早く反応するようにできているからです。しかし、父親にはそうした機能が備わっていません。そのため、赤ちゃんの泣き声に脳がすぐに反応できず、なかなか起きることができないのです。
「わたしはどんなに眠くても起きて赤ちゃんの世話をしているのに、うちの夫ときたらぐっすり寝ている……」と不満を抱える女性もいるかもしれませんが、これは男女の脳が持つ機能の違いからくるものです。
寝ている男性の耳には、赤ちゃんの泣き声が入ってきづらいだけで、無責任なわけではないのです。
1歳半までに「ソロ好き」人格は決まる
さみしいと感じやすい人と感じにくい人の違いには、生まれつきの遺伝的要素と後天的な要素のどちらもが関係しています。後天的に育まれる要素は、生まれてから1歳半くらいまでに決まるといわれています。
1歳半までの時期に、抱っこなどのスキンシップを多く取ると、赤ちゃんの体内で、「愛情ホルモン」であるオキシトシンの分泌が高まります。
このオキシトシンが脳で作用すると、自分の近くにいる個体に愛着を感じるようになります。オキシトシンは赤ちゃんの情緒を安定させ、親子の愛着関係を強くするために重要な役割を果たします。
このオキシトシンの分泌上昇と併せて大事なのが、赤ちゃんの脳に起こる成長です。赤ちゃんの脳では、生後6カ月から1年にかけて、シナプス(神経細胞をつなぐ接合部)、レセプター(受容体)といった脳内物質をやり取りするための仕組みが増大することがわかっています。
つまり、周囲から情報を得て、オキシトシンなどの脳内物質をやり取りする脳の仕組みが、この時期に著しく成長するわけです。
このような時期に適切な愛着関係が築けていなければ、脳内物質をやり取りする仕組みがうまくできあがらず、「誰かがそばにいることを好まない」構造になります。あるいは逆に、過剰に誰かに近づこうとして無理を重ねたり、ぎこちなくなったりして、適切な人間関係を築けないことにもなります。
抱っこやスキンシップによるオキシトシンの上昇は、血のつながった親子でなくても起こるため、この時期に、親や養育者とのあいだで親密な関係を得ることで、他人とのかかわりにおける基本的人格が形成されます。


















無料会員登録はこちら
ログインはこちら