教科書に載るほどガチの"シャッター街"の大変化 JINSの田中仁CEOが私財投じるなど民間主導で"衰退した地元"を再生中《前橋》

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全体のデザインと設計を手がけたのは、「大阪・関西万博」の大屋根リングを生み出した建築家、藤本壮介氏。天をつく2つの白いタワーと豊かな植栽が織りなす佇まいは立ち止まって眺めずにはいられません。

一方、客室やラウンジの空間デザインにはレアンドロ・エルリッヒ氏をはじめとする世界的なクリエイターが参画。まさしく旅の目的となるデスティネーションホテルが前橋に誕生したのです。

「白井屋ホテル」は既存躯体の柱梁を生かした「ヘリテージタワー」と新築の「グリーンタワー」の2棟構成。緑が縁取る階段を上がるとエントランスに辿り着く(写真撮影/前田慶亮)
4層吹き抜けの開放感を満喫できる「ヘリテージタワー」のカフェラウンジ。縦横無尽に張り巡らされた水道管のような作品はレアンドロ・エルリッヒ氏によるインスタレーション。夜には光のアートが生み出される(写真撮影/前田慶亮)
すべてのゲストルームに異なるアーティストの作品を展示。写真は鈴木ヒラク氏の「発掘された反射(惑星のダンス)」を展示したジュニアスイートルーム(写真撮影/前田慶亮)
ジュニアスイートのベッドルームを彩るのは村田峰紀氏の作品「Resonance」(写真撮影/前田慶亮)

全国屈指のギャラリーを誘致したアートレジデンス

「JINS」の田中さんとともにまちづくりのキーパーソンとして名前が挙がるのが、「まちの開発舎」の代表取締役、橋本薫(はしもと・かおる)さんです。

東日本大震災が起きたときボランティアとして現地に向かった橋本さんは、コミュニティの重要性を痛感。生まれ育った前橋で仲間とともにコミュニティの場となる「フラスコ」を設けたのを機に、地元のまちづくりに立ち上がります。

2016年には前橋ビジョンの策定に携わり、「一般社団法人 前橋まちなかエージェンシー(MMA)」を設立。シェアオフィス「comm」などまちなか再生の拠点を生み出してきました。

橋本さんは1977年 群馬県前橋市生まれ。前橋工業短期大学(現前橋工科大学)建築学科を卒業後、建築設計事務所を経営していた時期も。高崎市や富岡市のまちづくりに携わった経験をもつ。「太陽の会」事務局長も務め、フリー冊子「まえばしアーバンデザイン的まちの遊び方」などメディア編集も手がける(写真撮影/前田慶亮)
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