教科書に載るほどガチの"シャッター街"の大変化 JINSの田中仁CEOが私財投じるなど民間主導で"衰退した地元"を再生中《前橋》

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「以前は前橋中央通りの物件を仲間と借りてアートスペースを運営していたのですが、廃れていた街が活性化すると賃料が上がる可能性もありアーティストが離れてしまうというのは世界的にもよく聞く話。前橋が再生していくなかで、そうならないためにはきちんと拠点をつくったほうがいいかなとこの物件を購入しました」(木暮さん)

聞けば、木暮さんは街のアート活動と30年以上にわたって関わってきたそうです。アートで再生を目指す今の前橋はどのように映っているのでしょうか。

「アートを街に根付かせるにはインパクトだけでなく時間をかける必要もあります。なので、先の長い取り組みになるでしょう。また、『アーツ前橋』や『まえばしガレリア』のような核となる施設だけでなく、ここのような小さなギャラリーが無数にあることも欠かせません。

まちづくりにもいえることですが、点と点の間にいくつものグラデーションがあることで、層が出来て立体的な奥行きが生まれるんです。僕が担うのはそのグラデーション部分。エネルギーがあるし、やっていて楽しいんです」(木暮さん)

木暮さんは1970年前橋市生まれ。県内を拠点に活動するアーティスト、白川昌生氏の薫陶を受けアートの世界へ。現在はアーティストとして活動としつつ県内外で主にコマーシャルフォトの撮影も行っている(写真撮影/前田慶亮)
スタジオと事務所を兼ねたギャラリー。「決め手になったのは広すぎないサイズ感。どんな作品も受け入れられる建物のニュートラルさも気に入りました」と木暮さん(写真撮影/前田慶亮)
2023年に開催された「PUNK! The Revolution of Everyday Life 展」の展示風景(写真提供/木暮さん)

2026年に「前橋国際芸術祭」の開催が決定

アートという街の個性をより鮮明にするべく、2026年の9月~12月に「前橋国際芸術祭」の開催が決まりました。「JINS」の田中さんが総合プロデューサーになり、「まえばしガレリア」の橋本さんは事務局長に就任。単に有名アーティストやクリエイターを招くのではなく、まちおこしとリンクさせた企画によって前橋らしさが前面に押し出されています。

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