教科書に載るほどガチの"シャッター街"の大変化 JINSの田中仁CEOが私財投じるなど民間主導で"衰退した地元"を再生中《前橋》

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ギャラリーを訪れた人たちが食事を楽しむ場として、グランメゾンクラスのレストランも設けられています。

「アート好きには食にもこだわりのある人が多いため、親和性のあるテナントが構想されました。今、腕を振るっているシェフは東京の三つ星レストラン『レフェルヴェソンス』でスーシェフを務めていた実力派。『レフェルヴェソンス』のファンという方もよく食べに来てくれているようです」(橋本さん)

2~4階にあるレジデンスもまたハイスペックです。26戸すべてにゆったりとしたテラスが設けられ、間取りはワンルーム、ロフト付き、メゾネットの3タイプ。すべてデザインが異なり、「まちの開発舎」でインテリアやアートをコーディネートした住戸が多いのだとか。

「購入した方は県外が7割。前橋の活性化に力を貸したいという思いで購入してくださった方々です。せっかくなので賃貸に出すのではなく、たまには自身も泊まりたいということで、滞在しない間の民泊も始まりました。現在は8戸で行われていますが、下に降りればアートと美食を楽しめる宿は海外の方にも好評です」(橋本さん)

民泊に利用されている住戸の一例。ハイエンドなインテリアとアートも楽しみの一つに。キッチン付きなので長期滞在にも向く(画像提供/橋本さん)
各住戸に広いテラスがあるのも魅力(写真提供/橋本さん)
3階からの眺め。テラスの緑と視線の抜けが印象的だ(写真撮影/前田慶亮)

国際芸術祭の開催でアートの街へと躍進

アートに親しめる施設としては近隣に「アーツ前橋」もあります。閉館した商業施設を市が買い取り、コンバージョンした市立美術館は、既存の外壁をアルミパウチングで覆った意匠も斬新です。

「アーツ前橋」の外観。夜はアルミパウチングの曲面が一層引き立つ(写真撮影/木暮伸也)

さらに、街を歩けば小さなギャラリーも点在。なかでもユニークなのは「裏ノ間 re/noma」です。2023年にオープンしたこのアートスペースを運営するのは写真家の木暮伸也(きぐれ・しんや)さん。

馬場川通り近くにある3階建ての建物は1階にDJブース兼用カウンターがあり、写真や絵画などアート作品の展示のほか、音楽イベントやポップアップショップなど木暮さんが面白いと感じる幅広いテーマの催しを不定期で開いています。

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