教科書に載るほどガチの"シャッター街"の大変化 JINSの田中仁CEOが私財投じるなど民間主導で"衰退した地元"を再生中《前橋》
「前橋ビジョンの『めぶく。』も意識しています。若いアーティストたちが前橋に滞在しながら創作し、芸術祭で発表する企画はその一つ。芸術祭は1年おきの開催を予定していますが、回を重ねるなかで芸術を学ぶ若者たちの憧れの地になっていくといいなと思っています。
もちろん、芸術祭を目当てに訪れた人たちに前橋の魅力を知ってもらいたい。2年に一度、訪れるたびに変化していく街の景色も楽しんでほしいですね」(橋本さん)
もう一つ、アートで注目したいのは、群馬県庁と前橋駅を結ぶ約1.5kmの道路空間です。群馬県と前橋市ではこの空間を歩行者優先のトランジットモールにする計画を進め、空間デザインの国際コンペが行われました。
橋本さんによれば、このトランジットモールにはパブリックアートがちりばめられる予定とのこと。至る所でアートを楽しめる、いうなればミュージアムシティが前橋の将来像というわけです。
「前橋って何があるのって聞かれとき、以前は答えに詰まっていたんですね。なにもないわけではないけれど、これだという決め手がない。であれば、アートを柱にして後世に残せるものを自分たちでつくっていけばいいと考えたんです。50年後、100年後にはそれが街の誇りになると信じています」(橋本さん)
民間主導のまちづくりでは、「JINS」の田中さんや橋本さんのようなパワーのある推進役が欠かせなかった、と纐纈さんは振り返ります。力強く回るその歯車に行政支援の歯車が上手く噛み合い、再生に向けて前進することができたのです。
個性派ぞろいの「まちづくりのB面」たち
ただし、それだけで終わらないのが前橋の面白さ。並走するように、空き店舗を活用して新たな拠点を起こす小さなイノベーションが街のあちこちで起きています。自ら「まちづくりのB面」と名乗る人たちもまた個性派ぞろい。
しかもそこには、「マチスタント」という肩書きで市の職員である田中隆太さんが深く関わっているというのです。次回は田中さんのアテンドのもと、にぎわいを生む前橋発のカウンターカルチャーを探っていきます。
取材・文/上島寿子
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