アメリカで世界と宇宙の広さを実感。異なるカルチャーの中で他者から影響を受けることが「自由な発想」への近道になる

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窪田:とはいえ、私たちは他者や周囲からの影響を受けざるを得ません。宇宙空間の天体だって、重力で引き合って影響を及ぼし合っていますよね。まして私たちは真空に生きているわけでもないから、ものすごくいろんなものによって影響を与えられています。私は、この影響から逃れられないというのもおもしろいことだと思います。

他者からの影響も避けられない。だからこそ

BossB:それも必然ですね。素粒子のレベルで考えても、例えば一つの電子は単体で存在しているわけではなく、周りとの相互作用で動きや位置が生まれるものです。私たちもそうですよね。窪田先生と今お話ししているというだけでも、もう私は1秒前の私ではないわけで。

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私の高校生の息子は、引っ越しによって出会った友達の影響をとても強く受けて、どんどん生活が変わっていったことがありました。新しくできた友達は、深夜までファミレスでおしゃべりしているような、かなり自由なタイプの子たちだったんですね(笑)。その後も、息子は環境が変わるたび、周囲の人によって行動が変わるということを何度か繰り返しました。

結果として、「自分は周りの人によってかなり変わってしまうんだ」「彼らを否定するわけではない。でもこれでは自分を高められない」と気付き、今は大学に行きたいと考えて勉強に打ち込んでいます。他者からの影響はやっぱり大きいし、一緒にいる人でモチベーションが変わると思います。

窪田:私にも息子さんと似た経験があります。子どもの頃、親の転勤で否応なしにアメリカに住んだことがあるのですが、周りには不良しかいないような環境でした。教室で友達が黒い紙の上に粉を置いて、ガラス器具で何かしている。当時は何だかわからなかったけれど、小学生が昼間からコカインを吸っていたんですよね。先生も気にも留めないんです。

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