 
高校授業料の無償化は教育格差是正につながるのか
窪田:今年の4月から高校授業料の無償化がスタートしました。公立校では今年度から、私立校では来年度から実質無償化されますが、この制度について中室先生はどう思われますか?
中室:教育費負担は大きいため、高校授業料の無償化を求める声が大きいことは理解できます。私も子育て世代の負担を軽減していくことには総論としては賛成です。しかし、高校授業料の無償化は、細部に至る制度設計こそがその成否を決めると言っても過言ではないと思います。
私がそのように考えるのは、諸外国で導入された「教育バウチャー」に関する研究成果が既に発表されていることにあります。教育バウチャーとは、学費や教育に使途を限定したクーポンのことで、これによって子供の進路選択が親の経済力の影響を受けないようにするために行われます。これはノーベル賞を受賞した経済学者であるのミルトン・フリードマンが提唱し、多くの国で既に実施されている政策です。






 
         
         
        
       
        
       
           
           
           
           
         
         
         
        











