「休まないでどうやって働くの?」 給料の12.5%を休暇のために積み立てるデンマーク人が実践する"豊かな長期休み"の過ごし方

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デンマークの冬の休日
年間で5~6週間、夏には3週連続で休むというデンマーク人。長期休暇を豊かな人生につなげるために、どう過ごしているのでしょうか(写真:Viktor Osypenko/PIXTA)
幸福度&国際競争力が、ともに世界トップクラスという“奇跡の国”デンマーク。デンマーク人は、平日は午後4時に帰宅し、金曜日は午後2〜3時に仕事を切り上げ、夏休みは3週間以上の連休を謳歌する国民です。余暇には、家族や友人と「ヒュッゲ」(心地よいひととき)を楽しむことを何よりも大切にしています。
一方でデンマークは国際競争力が高く、ビジネス効率性で6年連続トップを記録する「ビジネス先進国」の側面も持ちます。また、欧州のイノベーション・スコアボードの結果によれば、欧州でトップクラスの「イノベーション大国」でもあります。
そんな「幸福度も生産性もいいとこどり」の国デンマークでは、どのように長期休暇を過ごしているのでしょうか。『デンマーク人の休む哲学 幸福度も生産性も「いいとこどり」する習慣』から一部を抜粋・編集して紹介します。
前編:午後4時に帰るのに"効率性"世界一、デンマーク人に学ぶ「自己啓発書より小説、寝るより運動」という休み方が合理的である理由
中編:朝イチのスマホ確認はムダムダムダムダァ! 世界一効率的な国デンマークで「休むときは通知オフ」が常識になっている理由

(外部配信先ではハイパーリンクや画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください)

「休む権利」を大切にする国

休むことを大切にする国デンマークには、面白い制度があります。それは「休暇手当」です。

なんと、デンマークでは、フルタイムでもパートタイムでも、給与所得者であれば、年間に12.5%が休暇手当として自動的に積み立てられていくのです。そして申請すると、休暇に入る直前に休暇手当が振り込まれるという仕組みです。

休暇手当がデンマークに導入されたのは1938年。労働者が休んでも生活に困窮しないようにするために、導入されました。 

デンマーク人は年間5〜6週間の休暇を取得しますが、この休暇期間は、通常の給料ではなく、この休暇手当を受給します。休暇手当は多少の持ち越しはできますが、基本的には1年ごとにすべて消化する前提です。また、転職しても、積み立ては引き継がれていきます。

次ページ休暇手当のおかげでデンマーク人の連続休暇は…
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