「休まないでどうやって働くの?」 給料の12.5%を休暇のために積み立てるデンマーク人が実践する"豊かな長期休み"の過ごし方

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この制度のおかげで、デンマーク人は、躊躇することなく、年間5〜6週間の休暇、そのうち夏休みは約3週間の連休を心置きなく満喫できるのです。「休むと稼ぎが減る」「休むと周りに迷惑をかける」といった不安から解放されているのです。

休暇中は休暇手当をもらえますし、休暇手当は完全消化するのが当たり前。社会全体にそんな考え方が浸透しているので、忙しく働いているうちに有給休暇がいつのまにか消滅している、ということは起こりません。

みんなが休暇を取得するので、お互い様。誰もが当たり前のように「休む権利」を持っていると思っていますし、そもそも「休まないで、どうやって仕事できるの?」と、不思議な顔をする国民。それがデンマーク人なのです。

そんなデンマーク人にとって、勤勉で長時間労働が当たり前のアジアの国などは、とても「エキゾチック」に映るようです。

長期休暇は「どこへ行くか」ではない

では、デンマーク人は年間5〜6週間の休暇に、いったい何をしているのでしょうか。過ごし方は人それぞれですが、これだけの長い休暇があるせいか、けっこうのんびりと過ごしています。

夏の3週間の連休には、ゆったりと田舎のサマーハウス暮らしを楽しんだり、キャンプ生活を楽しんだり、海外旅行に出かけたりしています。「ゆったり」というのがポイントです。

デンマーク人は事前に旅のプランを細かく立てず、大枠のプランを決めたら、あとはそのときの思いつきや気分で動きます。細かい計画を立てずに、大雑把なプランで動くのです。

シモンは自営業なのもあって、夏には6〜7週間の夏休み、それに加えて秋休み・クリスマス休暇・冬休みを取得します。そんなに長い間、何をして過ごしているのかと尋ねると、こんな回答が返ってきました。

「休みっていうのは、僕にとっては、子どもと一緒に過ごす時間。夏はスウェーデンにあるサマーハウスで家族や子どもたちのパートナーも一緒に暮らす。みんなで一緒に森の散歩、キノコ狩り、ボードゲームをすることもある。気が向いたら、1人で読書することもあるし。とくに何をするって決まってない。ただみんなで一緒に過ごせる時間を楽しむんだ」
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